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Facebook、ロシア政府につながる可能性のある広告を米連邦議会に提出すると発表

» 2017年09月22日 08時47分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Facebookは9月21日(現地時間)、2016年の米大統領選への関与を目的に掲載された疑いのある広告のデータを米連邦議会に提出すると発表した。

 同社は今月7日、米大統領選へのロシアの関与に関連する独自調査の結果の一部を報告した。その段階では、連邦議会の調査官に対し、一部の広告がロシア政府につながるトロール企業のものである可能性があると報告したとされている。

 Facebookはユーザーのプライバシーを重視していると強調し、今回の広告データ(広告データもユーザーのプライベートデータに当たる)の議会への提出は異例のことだと説明した。

 また、議会には提出してもなぜ一般には公開しないのかというユーザーからの問いかけが多いとし、その理由は個人のアカウント情報の開示は米連邦法で制限されているからだと説明した。

 同社のマーク・ザッカーバーグCEOは同日、自身のアカウントで約7分間のライブ動画を配信し、この問題と、その対策について説明した。

 mark ロシアの広告問題について説明するマーク・ザッカーバーグCEO

 「私は民主的なプロセスとその完全性を非常に大切にしている。Facebookの使命は、人々に声を与え、人々をより近づけることだ。これは民主的な価値観であり、われわれはこの使命を誇りに思っている。民主主義を損なうためにFacebookを使ってほしくない」(ザッカーバーグ氏)

 同氏はこの問題に対処する複数の取り組みについて説明した。広告に関する調査で連邦議会と協力していく他、広告を出すFacebookページの透明性強化を義務付け、政治的広告のレビュープロセスを強化し、他社と関連情報を共有していく。

 かといって、サービス上でユーザーの発言を管理することはしないと同氏は言う。「われわれのシステム上のすべての悪いコンテンツを規制するつもりはない。Facebook上で人々が何かを発言する前に監視したりすることを社会は望まないだろう。自由とは、周囲に許可を求めることなしに言いたいことを言えるということだ。だが、もし誰かがわれわれの利用規約や法律を破れば、その責任を取ることになる」

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