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» 2017年11月27日 19時48分 公開

資生堂「IoT化粧品」来春提供 その日の肌をチェック、配合をチェンジ

資生堂がスマホアプリとIoTマシンを活用し、日々変化する肌の状態に合わせ、美容液を抽出するシステム「Optune」を開発した。2018年春にβ版を発売する。

[村田朱梨,ITmedia]

 資生堂は11月27日、ユーザーごとの肌に合った美容液を提供するシステム「Optune」(オプチューン)を開発したと発表した。スマートフォンアプリなどで、日々変化する肌や体質のコンディションを測定し、その結果から美容液を抽出する。2018年春にβ版を発売する。販売数や価格は未定。「女性たちは常に自分に合うスキンケアを探し続けている」(同社)とし、オーダーメイドのニーズに応える。

photo 「Optune」(オプチューン)

 使い方は、まずスマホアプリ「Optune App」で肌を撮影し、キメや毛穴、水分量など肌のコンディションを測定。次にWi-Fiでクラウドに接続するIoT(Internet of Things)マシン「Optune zero」で、その日の気分をBADからGOODの6段階から選択する。これらのデータに気温や湿度、紫外線などの要因を加え、クラウドサーバ上の独自アルゴリズムが、その日の肌に合う配合を決定し、美容液を抽出してくれるという。抽出された美容液は、手の平で混ぜ合わせて使用する。

photo Optuneの仕組み

 Optune zeroには、スキンケアを充填したカートリッジを5つ搭載。肌の状態に合わせ配合を変えて抽出するセラム(美容液)が3種類と、朝用と夜用のモイスチャライザー(乳液)が1種類ずつ入っている。5つのカートリッジも、肌に合わせそれぞれ数種類用意。初回注文時に測定した肌の状態を基に、最適なカートリッジを詰め合わせてマシンと一緒にユーザーに届けるという。カートリッジを買い足す場合は、最新の肌状態に合わせたものを選び直せる。

photo カートリッジの中身
photo 記者が実際に試した測定結果。肌のキメや水分量、皮脂、毛穴などをチェックできる
photo 測定後マシン下部に手を差し入れると、3種のセラムが抽出される。その後再び手を差し入れると、朝には朝用の、夜には夜用の乳液が出てくる
photo 資生堂ジャパン事業戦略部の川崎道文ブランドマネージャー

 ターゲットは、肌や体質の変化を感じる3〜40代女性。資生堂ジャパン事業戦略部の川崎道文ブランドマネージャーは「肌の状態は日々揺れ動いているため、最適だと思って買っていたものがいつの間にか最適ではなくなっている」と話す。Optuneには、こうした肌の状態に最適化し(Optimize)、Tune(調律)するという意味を込めた。

 資生堂ジャパンの杉山繁和社長は「大切なことは、お客さまの心を満たしライフスタイルにマッチする『最適化されたサービス』」と強調。「最先端のデジタル技術と資生堂の美容ソリューションを組み合わせ、今までにない全く新しいアプローチ『パーソナライズド・ビューティー』を提供していく」と話す。

photo 資生堂ジャパンの杉山繁和社長

 すでに同社は、肌の色をスマホで計測する技術を開発する米ベンチャー企業「MATCHCo」を買収。米国で「bareMinerals」というブランドで、一人一人の肌の色に合わせて調合したリキッドファンデーションを販売したり、気分やストレスレベルで香りを変えるアロマディフューザー「BliScent」を開発したりしている。

 日本国内でも、瞳の色をスマホで測定して瞳が大きく見えるアイシャドウを教えてくれるサービスを「運命のブラウン」と題して提供している。Optuneは、こうした「ユーザーに最適化した製品作り」の最先端の取り組みという。

 化粧品開発を担当する資生堂の島谷庸一さん(執行役員常務)は「お客さまにパーソナライズしていくことが大きなトレンド」と話す。

photo 島谷庸一さん(執行役員常務)

 「最適化した商品作りは、ユーザーの肌や気持ちがどうであるかを考える『センシング』と、それに合わせた製品をつくる『カスタマイズ』の2つの工程から成り立っている。資生堂がこれまで蓄積してきたデータとIoTを組み合わせた時、私たちの大きな強みになる」(島谷常務)

 同社は、みなとみらい(神奈川県横浜市)に新たな開発拠点を設け、ユーザーとの接触機会を増やすなど、「お客さまとつながる」ことに重点を置いた開発スタイルを推進するとしている。

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