椅子に座り、上を向くと自動で目薬を差してくれる――東京ビッグサイトで開催中の「2017国際ロボット展」(11月29日〜12月2日)で「自動目薬差しロボ」が展示されている。画像認識技術と音声入力技術を使い、手を使わずに目薬を差すことができる。
(1)音声で目薬を左右の目のどちらに差すか指定、(2)頭上にあるカメラで顔を認識し、超音波センサーで目薬と顔までの距離を計測、(3)モーターが動作し、目薬を目の上まで移動、(4)顔が0.5秒静止されていれば目薬が落ちる――という流れだ。
現時点では目薬と顔の距離は50センチ弱だが、「カメラや超音波センサーの精度が上がれば、“二階から目薬”を実現することも理論上は可能」と、金沢工業大学の中沢実教授は話す。
「PCやスマートフォンを使っていると目が疲れる。手を使わずに目薬が差せればと思ったのが開発のきっかけ。ベッドなどに取り付けられると面白いかもしれない」と、同大学の成宮陽生さんは笑う。3〜4カ月ほどで開発したという。
手が不自由な人や、目薬を差すことが苦手な人の利用を想定。他にも「紙コップを置いて自動でお茶を注ぐシステムなどにも応用できる。自律走行技術と組み合わせると面白いかもしれない」と、新たな可能性も視野に入れる。
いずれも研究段階で実用化には至っていないが、夢と可能性は広がっていく。今後、ナムコ(当時)の給仕ロボット「キュージくん」を思わせるお茶入れロボットなどが登場するのかもしれない。
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