バンダイナムコグループが、「CEATEC JAPAN 2017」(10月3日〜6日、幕張メッセ)に初出展している。アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するペットロボットを再現した「ガンシェルジュ ハロ」が早くも注目を集めているが、ほかにもバンダイナムコならではのロボットや玩具が登場している。
かわいらしいボディーとつぶらな瞳でこちらを見つめてくるのは、独自の学習型会話エンジンを搭載したAI(人工知能)ロボット「QC-RO」(キューシロー)。頭部の赤外線画像センサーで話者を検知して顔の向きを変える。ユーザーとの会話を記憶し、学習していくことで言動が少しずつ変わっていくという。
キューシローの特徴は、誰でも簡単にAIに学習させられること。頭上にあるボタンをなでる(褒める)、たたく(怒る)という2つの動作で、やっていいことと悪いことを覚えさせられるという。
同グループの担当者は「例えばこのシステムを自動車玩具に付ければ、障害物の前で止まったら褒める、止まるべき場所で発信したら怒るといった学習を繰り返すことで、賢く走行できるようになる」と話す。
また、お腹にあるクリスタルは付け替えることで、クリスタルごとに異なるユーザーとの会話内容を記憶できる。将来は、1つの人格を持つクリスタルをさまざまな玩具で付け替えて使うといった遊び方も期待できそうだ。
参考出展のため、価格・発売日共に未定だが、コミュニケーション玩具や施設向け対話型ロボット、ゲーム内キャラクターの発話生成などへの実用化を見据えているという。
キューシローを開発・設計したバンダイナムコスタジオの遠山茂樹さんは、ナムコ(当時)の給仕ロボット「キュージくん」の生みの親でもある。キュージくんとは、受付ロボット「受付小町」の相棒として、1980年代からナムコの受付で来客にお茶を出していたロボットで、作り置きのお茶の味がイマイチだったのと、衛生面の管理が大変だということで残念ながら引退を余儀なくされた悲しい過去を持つ。
遠山さんは「今後は、動作や季節に関連付けた言動もさせてみたい。キュージくんの遠い弟分といえるかもしれませんね」と笑う。
お手軽なタッチ操作で、既存の玩具を自律的に動かせるプログラミング玩具の「NABACOM」(ナバコン)も参考出展された。独自のプログラミング言語「NABASIC」(ナバシック)を搭載。対象玩具と有線接続し、タブレット画面で「暗くなったら、LEDを点灯する」「ボタンが押されたら、音を鳴らす」など、条件と動作の組み合わせを設定するだけでプログラミングを楽しめる。
デモ機では、ガンダムのプラモデルとデバイスを接続し、部位ごとにLEDの色や光の強さ、光るタイミング、サーボを回したり、音を鳴らしたりするタイミングを設定できた。
ナバコンを開発した豊田淳さんは、「女児向け玩具で光や音の演出ができないかという要望があったが、個人的には自律型のロボットバトルを実現したい。デバイスを小さくできれば、玩具自体に埋め込んでタッチ操作できるようになるかもしれない」と話す。
同グループは「BN・Bot PROJECT」といわれるプロジェクトを通して、次世代玩具の開発に積極的に取り組む姿勢だ。
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