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Patreonの料金改定でサポーター減るマストドン オイゲンさん怒りのブログマストドンつまみ食い日記

» 2017年12月08日 10時59分 公開
[松尾公也ITmedia]

 マストドンをはじめとする多くのプロジェクトに利用されているクリエーター向けパトロネージシステムPatreonが12月8日、料金改定を発表した。18日以降は新しいシステムが適用される。

 だが、この新システムはサポーターが支援するプロジェクトに支払う金額が増えるため、それを嫌うサポーターがPatreonをやめる現象が起きている。マストドン開発者で、このプロジェクトで生計を立てているオイゲン・ロチコさんは発表があってから21人が支援をやめており、他のPatreon利用者も影響を受けているとトゥートしている

 従来は支援者が毎月100ドルをプロジェクトに支払うとすると、Patreonへの支払いも100ドル。その中からPatreonが手数料として5%(5ドル)、そして決済手数料(カード会社などによって異なる)が2-10%(2ドルから10ドル)差し引かれるので、プロジェクトの取り分としては85-92%(85ドルから92ドル)となる。

 新システムでは、支援者がPatreonに支払う金額が変わる。支援額を100ドルとすれば、さらにその2.9%である2.9ドルと0.33ドルの合計3.23ドルがサービス料金として上乗せされる。これは従来の決済手数料に相当する。支払い額は103.23ドルとなる。プロジェクトの取り分は95ドルとなるのでいいように思える。Patreonは、決済手数料支払いを減らしてほしいというのが最大の要望だったと説明している。

photo 支援者の支払い額は増える(Patreonより)

 しかし、支払い額の2.9% + 0.33ドルが毎月1ドルの支援に適用されたら、約1.36ドルと大幅な値上げとなる。オイゲンさんは、1ドル支援者の多くはいなくなるだろうと予想する。「パトロン(支援者)が支払う金額は多くなるし、クリエーターはパトロンを失い、どちらも傷つく」とオイゲンさんは述べ、Patreonを使いたくない支援者はLiberapayから寄付することを提案している。

 ただし、Liberapayは匿名で寄付する仕組みなので支援者リストに名前が載ったり、支援者専用のDiscordに入るといった権利は得られない。支援総額もまだ少ない。

 Patreonはクリエーターからの反発に対応する様子を見せていない。

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