デンソーと豊田通商は12月13日、車両位置や走行データといった大規模な交通データを量子コンピュータでリアルタイム処理する実証実験を12月中にタイで行うと発表した。渋滞解消や緊急車両の優先経路生成など、新たなコネクテッドサービスの実現へつなげる狙い。
実験では、タイ国内の約13万台のタクシーやトラックに取り付けた車載器から車両位置や走行データを収集。クラウドでカナダのD-Wave Systemsの量子コンピュータと接続し、リアルタイムで処理する。
実証実験で用いる解析処理技術は、豊田通商のグループ会社であるTOYOTA TSUSHO NEXTY ELECTRONICS(THAILAND)が2012年から提供している渋滞情報配信サービス「TSQUAREアプリ」のプラットフォームへ組み込む。解析処理のアルゴリズムの実装はデンソーが、アプリケーションの実装は豊田通商が担当する。実運用されている交通系IoTプラットフォームにおいて量子コンピュータを活用する取り組みは世界初という。
両社は「実証実験を通じて新たなモビリティ社会に必要な量子コンピュータの活用に取り組む」とし、渋滞解消や緊急車両の優先的な経路生成などのサービス実現を目指す。実証実験のイメージは、2018年1月9日〜1月12日に開催される「国際家電見本市CES2018」(アメリカ、ラスベガス)でデンソーが展示予定という。
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