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音声翻訳デバイス「ili」でリベンジなるか 「Ring」で“炎上”したログバーの決算「NOKIZAL」決算ピックアップ

» 2017年12月14日 13時39分 公開
[NOKIZALITmedia]

 音声翻訳デバイス「ili」を開発するログバー(東京都渋谷区)が12月14日、官報に掲載した決算公告(17年1月31日現在)によれば、当期純損失は2億4400万円の赤字、累積の利益や損失の指標となる利益剰余金は5億4500万円の赤字だった。

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 ログバーは2013年設立。当初は人差し指のジェスチャーのみで家電製品などを操作する指輪型ウェアラブルデバイス「Ring」を開発、販売していた。現在は、スティック型音声翻訳デバイス「ili」の開発と販売を主力事業にしている。iliは、ボタンを押しながら話し掛けるとリアルタイムで翻訳し、相手に合成音声で伝えられる。

photo 音声翻訳デバイス「ili」

 17年10月にはティー・ワイ・オーフィールドマネージメント他から5億円を調達。iliは訪日外国人旅行客が多い東京メトロイオンモールが採用している他、17年9月に大分県別府市でも試用プロジェクトが始まった。

ここがポイント

 今回の決算では、当期純損失2.4億円に累積赤字5.4億円を計上しているログバーですが、流動資産2.1億円に対して流動負債は0.3億円、10月には5億円も調達しているので意外に資金繰りには余裕がありそうです。

 17年12月には年末年始の海外旅行需要を見込み、iliの一般モデルの先行販売を開始。元SMAPの草なぎ剛さんがイメージキャラクターに就任し、今後はテレビCM展開などさらなる攻めの姿勢も見せていくようです。

 ログバーといえば、華々しくデビューしたにもかかわらず、度々の出荷遅延や当初のイメージと異なるデザイン変更で炎上したRingのその後も気になるところですが、現在は製品一覧に載っていません

 今度こそiliによって、東京オリンピックに向け期待が高まるインバウンドビジネスを成功させることはできるのか、リベンジに注目です。

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《著者紹介》

平野健児。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの「SiteStock」や無料家計簿アプリ「ReceReco」他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業し「NOKIZAL」を運営中。

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