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ゲーセン向けVRに「三國無双」「進撃の巨人」投入 コーエーテクモの狙い

» 2017年12月19日 16時13分 公開
[片渕陽平ITmedia]
photo 12月21日から稼働する「VR センス」

 コーエーテクモウェーブが開発するVR(仮想現実)ゲームを遊べる筐体「VR センス」が12月21日から全国のゲームセンター約30店舗で稼働する。VR映像に合わせ、座席が振動したり、風や香りを味わえたりする。ローンチタイトルには「超 真・三國無双」など人気IP(知的財産)を用意した他、今後は「進撃の巨人」新作も投入する考えだ。家庭用ゲーム機で人気の作品を投じ、ゲームセンターへの送客を狙う。

 ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着したユーザーが座席に腰掛けると、VR映像に合わせ座席が上下左右、前後に傾いたり、振動したりする。周囲からは風が吹き付け、疾走感を演出する他、炎の熱を感じさせる暖機能、雪山のような寒さを再現する冷機能も備える。香り(8種類)やミストを噴出したり、頭や足の部分を「何かに触られる」ような感覚を生み出したりもできる。コーエーテクモがアーケード機器を手掛けるのは約20年ぶり(前身のテクモ時代を含む)。

photo 8つのギミックを搭載する

 筐体内のディスプレイには、HMDの装着の仕方、ゲームの遊び方を表示し、係員が常にその場にいなくても遊べるようにした。プレイ時は荷物を座席付近のロッカーに預ける仕組み。筐体サイズは、1019(幅)×2050(奥行き)×1750(高さ)ミリ、重さは約300キロ。

 筐体カラーは、スパークリングシルバーとスパークリングブルーを用意。シルバーには「超 真・三國無双」「DEAD OR ALIVE XTREME SENSE」「G1 JOCKEY SENSE」、ブルーには「3 Majesty × X.I.P. DREAM☆LIVE」「ホラーSENSE だるまさんがころんだ」「超 戦国コースター」と、それぞれ3タイトルを用意する。

photo ローンチタイトルの一覧
photo 導入店舗の一覧

 特にジェットコースターゲーム「超 戦国コースター」と、アイドルライブを間近で楽しめる「3 Majesty × X.I.P. DREAM☆LIVE」は「先週ようやく完成した」(コーエーテクモホールディングスの襟川恵子会長)というほど、ゲームシステムの調整を重ねたという。超 戦国コースターは「(他社のジェットコースターのVRゲームとは)圧倒的な差別化しないと当社が作る意味がない」と考え、戦国無双シリーズなどで培ったアクション要素を加えた。

photo 超 戦国コースター
photo (c)コーエーテクモウエーブ All rights reserved.
photo 3 Majesty × X.I.P. DREAM☆LIVE
photo (c)Konami Digital Entertainment (c)コーエーテクモゲームス

 一方、事前に行ったロケーションテストでは、参加者のうち「女性プレイヤーが45%」「普段はゲームセンターに行かない新規ユーザーが約半数」という結果が出た(同社調べ)。コーエーテクモウェーブの阪口一芳社長は「VR センスが、ゲームセンタービジネスにおける次のキーファクターの1つになるのではないか」と期待を寄せた。

photo

 VR センスで遊べるタイトルは、新作と順次入れ替えていく考え。襟川会長は、稼働開始から1年後をめどに「進撃の巨人」を題材にしたタイトルを投入する他、戦国無双や三國無双のVRゲームも、市場状況を見ながら開発を検討するとした。

 進撃の巨人などのタイトルは、プレイステーション4やNintendo Switchなどの家庭用ゲーム機向けにも発売予定。そうしたタイトルを遊んだユーザーに「よりリアルな世界観を味わえる」としてVR センスをアピールし、ゲームセンターに来店してもらう――という送客効果を狙う。

photo 進撃の巨人
photo 戦国無双

 コーエーテクモゲームスのシブサワ・コウさん(ゼネラルプロデューサー)は「1つのゲームタイトルを家庭用ゲーム機、スマートフォン、PCなどさまざまなプラットフォームに対応させているが、VR センスもその中に含め、より多くのユーザーに遊んでもらえるようにする」と話した。

 ゲームセンター以外にも、ショッピングモールや旅館、イベント施設向けにも販売。海外展開も検討する。

photo 左からコーエーテクモウェーブの阪口一芳社長、コーエーテクモホールディングスの襟川恵子会長、コーエーテクモゲームスのシブサワ・コウ ゼネラルプロデューサー

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