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プレイガイド「e+」業績と比較して見えた、「チケキャン」の“荒稼ぎ”「NOKIZAL」決算ピックアップ

» 2017年12月30日 14時30分 公開
[NOKIZALITmedia]

 プレイガイド「e+」を運営するイープラス(東京都渋谷区)が12月28日、官報に掲載した2017年3月期(16年4月〜17年3月)決算公告によれば、売上高は104億7400万円(前年同期は99億8800万円)、経常利益は29億100万円(同26億2700万円)。累積の利益や損失の指標となる利益剰余金は80億4300万円(同64億7800万円)だった。

photo イープラス

 イープラスは1999年設立。インターネットを主要販売チャンネルとした、コンサートやイベントなどのチケットの予約・発券を行うプレイガイド「e+」を運営している。

 設立当初はセゾングループとソニーグループがそれぞれ50%を出資、セゾングループが運営していたプレイガイド事業「チケットセゾン」を引き継いでスタートした。17年現在の株主はソニー・ミュージックエンタテインメントが50%、クレディセゾンが37.6%、ファミリーマートが8.2%、パルコが4.2%。06年からはセブン-イレブン、09年からはファミリーマートでの発券も行っている。

ここがポイント

 ぴあなどと並んで、日本国内を代表するプレイガイド「e+」を運営するイープラス。今回の決算では売上高が100億円を突破するなど、増収増益で好調のようです。

「チケキャン」は“荒稼ぎ”? e+と純利益を比較

 一方、イープラスの業績と比較して見えてくるのが、チケット売買サービス「チケットキャンプ」運営のフンザの勢いがいかにすごかったかということです。フンザは、商標法違反と不正競争防止法違反の疑いで警察の捜査を受け、18年5月にチケットキャンプの提供を終了すると発表しました

 プレイガイドであるイープラスの18期目の純利益18億7000万円に対し、チケットキャンプを運営するフンザの4期目の純利益は15億7000万円。この勢いのままサービスが続いていれば、18年3月期には逆転していたかもしれません。

photo フンザ

 ここ最近大きくクローズアップされているチケットの高額転売は、業界が対策を進めています。イープラスも対策として17年6月に会員登録にSMS認証を導入。1人のユーザーが複数の会員登録をできないようにし、不正にチケットを大量購入したり、転売したりするのを防ぐ考えです。

 一方、チケットキャンプは、一部報道によれば、大口の転売業者の出品手数料をゼロにするなどして自ら転売を助長していた疑いも出てきています。

 チケット高額転売が社会問題化する中、業界を引っ張る立場として、イープラスには今後さらに利便性と利用者保護のバランスを取った対応が求められていくことになりそうですね。

イープラスなどの過去業績、他の企業情報は「NOKIZAL」で確認できます

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《著者紹介》

平野健児。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの「SiteStock」や無料家計簿アプリ「ReceReco」他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業し「NOKIZAL」を運営中。

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