ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >
ニュース
» 2018年01月24日 18時28分 公開

ヤフー社長交代、経営陣も一新 ネットを愛する「ネットネイティブ」世代に

ヤフーは1月24日、新執行体制への移行について発表した。次期社長に就任予定の川邊健太郎副社長は、「社会に出た時からインターネットを使いこなし、活用の仕方を熟知しているネットネイティブ世代での経営になる」と話す。

[村田朱梨,ITmedia]

 「私はインターネットを心底愛している。新しいチームの強みは、根本的に『インターネットが社会を変える』と信じて未来を作るエネルギーにあふれていることだと思う」――ヤフー次期社長に就任予定の川邊健太郎副社長は1月24日、記者会見でそう話した。

photo 左が宮坂学氏、右が川邊健太郎氏

 同日、ヤフーは宮坂学氏が6月に代表取締役社長を退任し、川邊氏に交代する人事を発表。川邊氏が率いる新しいチーム――「社会に出た時からインターネットを使いこなし、活用の仕方を熟知しているネットネイティブ世代」での経営に一新する。

 4月1日付でスタートする新執行体制では、川邊氏を含む22人の執行役員のうち12人が新任。中でも常務執行役員は4人全員が新任だ。現社長の宮坂氏は、代表権のない取締役会長に就く。川邊氏以外の取締役候補については、決定し次第発表するとした。

目指すのは「データの会社」

 2012年の社長就任以来、宮坂氏は「ヤフーをPCで使われる会社からスマートフォンでも利用される会社へ移行することに取り組んできた」。同社の月間総ページビューに対するスマホ比率は、平均約11%(11年時点)から約63%(17年時点)に成長したという。

 川邊氏は、引き続き「スマホでも利用される会社」としてユーザー拡大を狙う他、「データの会社」として事業と収益拡大を目指す。「IT、インターネット産業の未来にはさまざまな可能性がある。誰かが挑戦する前に、ヤフーが『新しいものを最初に体験させてくれる』会社になり、新しい未来を作りたい」(川邊氏)

 スマホ向けには、特にEコマース関連アプリの使いやすさ向上に努める。動画への取り組みも強化する他、新たな領域としてモバイルペイメント、Fintech関連サービスにも積極的に挑戦するという。

 また、競争の激しいインターネット業界で「今後、力になるのはこれまで蓄積してきたデータ」とし、ビッグデータを分析して企画立案などに役立てる「データドリブン化」をより推進する構えだ。

photo 川邊健太郎副社長

 「ベンチャー企業とはこれまで培ってきた顧客基盤や組織、資金といった大企業ならではの力を活用して戦うが、グローバル企業と戦うには『データの力』が重要になる。ヤフーは、日本に住んでいるユーザーのデータを1番持っている会社。これを活用してグローバル企業とも戦っていく」(川邊氏)

 既存事業へ顧客データなどを活用し、広告効果の最大化、レコメンドの最適化などサービス向上につなげる他、データそのものを他社へ提供するビジネスも検討する。

社長交代の理由は?

 宮坂氏は、社長交代について「インターネット市場は大きく変化している。今後10〜20年間、成長し続けるためには新しい挑戦が必要だ」と話し、「“データの会社へ”という新しいテーマには、新しいリーダーが必要だった」と説明する。

 「スマホへの転換やEコマースの強化をテーマに6年間取り組んできた。できたこともあれば課題も残っている。仕上げには、私がやってきたことの否定も必要になるだろう。棚卸しも含め、リーダーを交代した方がいい」(宮坂氏)

 社長退任後、宮坂氏は会長に就き、ヤフーの経営の管理・監督に務める予定。1月に設立した新会社「Zコーポレーション」の代表取締役にも就任し、「ヤフーではできなかった、新しい分野の探索を行っていく」という。

 「ある程度経験を積んだベテランこそ、失敗のリスクが高いことに取り組んだほうがいい。ヤフーの中で“ベテランが未知の挑戦をしていく”ことを進めていきたいと、自ら手を上げた」(宮坂氏)

 Zコーポレーションの「Z」には、「ヤフー(Y)の次」という意味を込めた。現時点で具体的な事業内容は未定だが、サービスを開始次第、報告するとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.