「あはは、くすぐったい、やめて(笑)」――そんな声が思わず出てしまう。VR(仮想現実)空間で女の子が自分のお腹に文字を書いてくれる感覚を味わえる「VR腹文字」が、ドワンゴのゲームイベント「闘会議2018」(2月10〜11日、千葉・幕張メッセ)に出展されている。多数のスピーカーから超音波を出し、女の子から触られる感覚を再現する。
VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着し、超音波を発生させるスピーカーの目の前にお腹を出した状態で座る。すると女の子がこちらを見つめながら指文字を描く映像に合わせ、超音波がお腹に当たる仕組みだ。記者が体験したところ、まるで筆で文字を書かれているような、少しくすぐったい感覚がお腹に伝わってきた。
超音波を出す装置は285個のスピーカーで構成。各スピーカーが駆動するタイミングをずらし、それぞれから空中の1点に超音波が届くまでの時間を調節。超音波の強弱の分布を作り、その空間に肌が当たると圧力を感じられる。
装置の実用化には至っていないが、視覚障害者のコミュニケーションや、工場の生産ラインで製品に触れずにホコリを落とすなどの活用が考えられているという。
この装置を使い、VR腹文字を作成した同人サークル・ゆるUnity電子工作部の尾作慶一さんは、「実際には会えないアイドルなどとフィジカル(物理的な)コミュニケーションが実現できれば」とエンターテインメント分野での活用も提案する。視覚に特化したVRと触覚を再現する超音波装置を組み合わせ、「遠隔地からアイドルの握手会に参加するなど、マネタイズできるのではないか」(尾作さん)。
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