ITmedia NEWS > 社会とIT >

量子コンピュータで「株価予測」「ポートフォリオ最適化」 野村HDと東北大

» 2018年03月01日 14時29分 公開
[ITmedia]

 野村ホールディングスと東北大学はこのほど、資産運用業務に「量子コンピュータ」を活用していくための共同研究を始めた。ビッグデータの取り扱いや分析手法の複雑化に伴い、計算効率の向上が求められる中、従来のコンピュータと比べて計算処理速度に優れるという「D-Waveマシン」(カナダD-Wave Systems製)をテスト運用する。

 第1弾として、複数の投資銘柄から最良の組み合わせを選び、運用成績を上げる「ポートフォリオ最適化」と、「将来株価予測」をテーマに取り上げ、D-Waveマシンの導入による計算効率と精度の向上度合いを検証するという。資産運用の他、トレーディングやリサーチ、リスク管理など、野村グループの広い部署での業務展開も検証する考え。

 量子コンピュータは「量子ビット」という情報単位を用い、0と1に加え、0と1の「重ね合わせ状態」(量子の重ね合わせ)を表せる。この「重ね合わせ」の状態を利用し、いくつかの可能性を同時に保持しながら最善の選択を見つけ出せるという。中でもD-Waveマシンは、膨大な組み合わせから適した解を導く「組み合わせ最適化問題」に特化した「量子アニーリング」という手法を採用している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.