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ZOZOSUITはなぜ生まれた? 配送はいつ? スタートトゥデイの前澤社長に聞いてきた(1/4 ページ)

» 2018年03月20日 11時10分 公開
[村田朱梨ITmedia]

 「サイズという概念を超え、全ての方々にフィットする服が作れないか、考えてきた」――スタートトゥデイの前澤友作社長はこう話す。構想を始めたのは今から7、8年も前のこと。その理想は、採寸スーツ「ZOZOSUIT」とプライベートブランド「ZOZO」という形で世に出た。

photo スタートトゥデイの前澤友作社長=同社提供

ZOZOSUITとは?

 ZOZOSUITは、身体のサイズを一瞬で計測できるというセンサー内蔵ボディースーツ。スタートトゥデイがニュージーランドのソフトセンサー開発企業StretchSenseと共同開発し、2017年11月22日に予約受付を開始した。ZOZOSUITそのものは無料配布で、かかるのは送料(200円)のみだ。

photo ZOZOSUIT=スタートトゥデイ提供
photo 伸縮性の素材で、上下セットになっている

 ZOZOSUITは上下セットになっており、着用後はZOZOTOWNのスマートフォンアプリ(iOS/Android)とBluetooth接続して全身の約1万5000カ所を採寸。スリーサイズや首回り、身丈、股下、手首、足首、太ももなど全身の24カ所の採寸結果をアプリから確認できるという。

ZOZOSUITの開発理由は?

 ZOZOSUIT開発のベースになったのは、プライベートブランドの構想だった。「どういうブランドにするかを考える中、いろいろな体型の方がいらっしゃるので、サイズという概念を超えて全ての方にフィットする服が作れないかと考えてきた」と前澤社長は言う。「S、M、Lの3サイズでは無理だ。では、20サイズあればいいのか、100サイズあればいいのか――。いろいろ研究を重ねたが、もっと必要だと思い至った。それを解決するには『人々の体型を正確に測る必要がある』と考え、ZOZOSUITの開発に着手した。それが2年ほど前」(前澤社長)

photo スタートトゥデイの前澤友作社長=同社提供

 実際に服を着用することなく採寸する「バーチャル試着」の技術はさまざまで、中にはカメラとAR(拡張現実)技術を活用する手軽な方法もある。なぜ「実際に全身を測定するスーツ」という方法を選んだのか。

 「まだカメラでミリ単位の計測をするのは難しい。機械学習を使った予測などもある程度はできるが、例えば『ワイシャツを作ります』といった時には首回りがミリ単位で計測できていないと、合ったものは作れない。それに、お客さんにも『動かないでください』『30秒くらいかけてゆっくり動いてください』など、いろいろな協力を要請しなくてはならず、シンプルではない」(前澤社長)

 全身を正確に測定するため、さまざまな技術に挑戦し、その中で「一番早く、一番正確にできそうなのがZOZOSUITだという結論に至った」と前澤社長。StretchSenseには、「この技術を使えば自分たちがやりたいことができるかもしれない」と、スタートトゥデイから声をかけたという。

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