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ZOZOSUITはなぜ生まれた? 配送はいつ? スタートトゥデイの前澤社長に聞いてきた(2/4 ページ)

» 2018年03月20日 11時10分 公開
[村田朱梨ITmedia]

ZOZOSUITの仕組みは?

 ZOZOSUITの仕組みについて前澤社長は「極めて伸縮率の高い伸縮性のある生地に、同じく伸縮性のセンサーが張り巡らされている」と説明する。詳細は「明かせない」が、着用前のスーツと着用後のスーツを比べて「何センチ伸びたから、ここの数値は何センチだと計算するわけではない」という。

 StretchSenseのWebサイトによると、同社が開発する「Stretch Sensing Element」は、柔らかく伸び縮みするシリコンでできたセンサーで、衣類やウェアラブルデバイスなどに埋め込み可能。どんな形状にもフィットし、センサーの動きや位置データはミリ単位で取得できるという。

 またStretchSenseは、「改善された電気機械センサ」という興味深い特許を出願している。特許情報プラットフォームで公開している資料によると、「接続された電気回路による変形の計測を可能にする、機械的変形と共に変化する静電容量を有する電気的センサ」で、特許の出願は15年9月――2年半ほど前のことだ。ただし、スタートトゥデイはこの技術についてコメントを控えている。

photo Stretch Sensing Element

ZOZOSUITの精度は?

 全身を一瞬で採寸できるというZOZOSUITだが、精度はどれほどのものなのか。前澤社長は「例えば呼吸をしていると胸囲は3〜5センチくらい変わってしまうので、精緻データというのがない。『正しいデータ』の定義はとても難しい」と指摘。その上で「われわれの独自基準で『これが正しい』と決めているものがいくつかあり、それとの誤差を見る」という。誤差については「最小限にとどめている」「精度が担保できているからリリースした」(前澤社長)と自信を見せた。

 呼吸などによる差異も採寸には付きもののように思えるが、ZOZOSUITの計測は1度で問題ないという。「呼吸をとめて測る人もいるし、呼吸を続けたまま測る人もいる。いちいち指示を出すと、お客さんのやることが複雑になる。呼吸をしている場合は平均値を取るなど工夫をしている。それも全部数秒の内にできる」(前澤社長)。計測は立ったまま行うことが前提で、しゃがむ、座るといった動作は不要だという。

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