ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >
ニュース
» 2018年04月25日 18時22分 公開

「変なホテル」の快進撃、ビジネス需要で加速へ “ロボットが出迎える”クリニック併設

東京・浜松町にオープンする変なホテルの国内6店舗目は、ロボットが受付を担当する医療クリニックも併設し、ビジネスマンの需要を狙う。スタッフ業務の省力化で快進撃を続けてきた変なホテルが、サービスの幅を広げる。

[片渕陽平,ITmedia]

 「ロボットは頑丈で、潰れない。大きな課題はない」――ロボットが接客する「変なホテル」を展開するH.I.S.ホテルホールディングスの澤田秀雄社長は笑う。同社が4月27日、東京・浜松町にオープンする国内6店舗目は、羽田空港へアクセスしやすい駅近の立地に加え、ロボットが受付を担当する医療クリニックを併設し、ビジネスマンの需要を取り込む。これまで観光客をターゲットに、スタッフの省力化で快進撃を続けてきた変なホテルが、サービスの幅を広げ始めた。

photo 4月27日にオープンする「変なホテル東京 浜松町」(港区)では、人型ロボットがフロント業務を担当する

 人型ロボットがフロント業務を代替する他、「最寄りのコンビニは?」などの質問に音声で応えるロボット「unibo」(ユニロボット製)を設置する。客室は全118室で、シングルルームが1泊当たり1万2000円から。

 初の取り組みとして、医療クリニック「AI(アイ)ロボクリニック」を併設。スマートフォンアプリ(iOS/Android)を使った予約システムに加え、受付を人間1人とロボット1体が担当し、スタッフ業務を省力化する。待ち時間は、ロボットに「漢方の使い方は?」などと相談すると、音声で助言する仕組みも用意。返答は約500パターンを収録(オープン時点)し、アップデートしていく。

 クリニックには、人間の医師2人が常駐(歯科が1人、内科か皮膚科が1人)し、まずは午前10時〜午後6時で対応する予定だ。遺伝子検査、腸内フローラ検査などの結果に基づき、オーダーメイドの予防医療や治療を提供。宿泊者以外も使える。自由診療のため、公的医療保険は適用できない。

photo 医療クリニックの待合室(個室)は、青と黒を基調とし、SF映画に登場しそうな空間だ

 ホテル滞在ついでに健康相談する、複数の歯を宿泊しながら短期間で治療できる――などのメリットがあるという。協力企業の医道メディカル、陰山康成社長は「女性は健康志向な人が多いが、浜松町に泊まる働き盛りの男性はモチベーションが上がる機会は少ない。(ロボット導入するなど)遊び心は、予防医療に活用できる」と話す。

「無人のホテルを開きたい」

 変なホテルは、これまでにハウステンボス(長崎県佐世保市)の園内や、東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)の徒歩圏内などへ展開し、観光客へのアプローチが目立った。しかし2017年12月に西葛西(東京都江戸川区)、18年2月には銀座(中央区)と都内へも進出。全室にWi-Fiを整備し、アメニティを充実させるなどし、ビジネス客も獲得する姿勢を示してきた。

 浜松町の新店舗は、スタッフを6人程度(1日3回の交代制)に抑え、徐々に減らす。澤田社長は「人件費が少ない分、事業としては利益が高い。人手不足が厳しくなる中、ロボットで労働力を補えば、生産性は非常に高い」と自信を見せる。

photo

 変なホテルは、19年3月までに全国へ10店舗前後をオープンする。今後3〜5年間では、台湾、ベトナム、タイなど海外も含めると100店舗を展開する計画だ。澤田社長は「ハウステンボスの変なホテルが約5〜8億円の経常利益を上げている。少なく見積もっても100店舗で200億円前後の利益を見込んでいる」という。

 澤田社長は、今後について「許認可の問題はあるが、全てをロボットとシステムで賄える無人のホテルを開きたい。何かトラブルがあれば、人間のスタッフが30分程度で駆け付けるなど防犯の仕組みを作れば、実現できると考えている」と意気込んでいる。

photo 左から、H.I.S.ホテルホールディングスの岩間雄二副社長、澤田秀雄社長、医道メディカルの陰山康成社長、榎堀理加マーケティング部部長

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.