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» 2018年05月02日 07時00分 公開

ITりてらしぃのすゝめ:なぜここまで話題に? 「漫画村問題」を改めて整理する (1/3)

海賊版サイト「漫画村」をめぐる問題が話題だ。今、一体何が起こっているのか。改めて問題点を整理したい。

[宮田健,ITmedia]

 2018年4月、新旧多くの漫画作品を不正に公開した「漫画村」を名乗るサイトの問題に注目が集まっています。この問題に関して、ITmediaの各媒体が多くの記事を出しています。今までこのアンダーグラウンドなサイト名を知らなかった人も、何かが起きているということに気が付き始めたころではないでしょうか。

 しかし、この問題はわずか1カ月で大変大きく動いています。本稿執筆時点では漫画村のWebサイトそのものは接続できない状況ながら、関連する話題が大変多く、一口に「漫画村は問題だ」と言っても、それぞれが問題にしているポイントが多岐にわたり、会話がかみ合わない様子がSNS上でも散見されます。

 そこで今回、私なりにこの問題をかみ砕き、漫画村の問題に内在されているいくつかのポイントを整理してみました。

海賊版問題:クリエイターの生きる道を閉ざす可能性

 まずは漫画村そのものの問題に関して。こちらは基本的には“真っ黒”の行為だと思っています。漫画家をはじめとするクリエイターは、作品を通じ対価を得ています。その対価を全く無関係のものがかすめ取る行為は、断じて許すべきではありません。

漫画村 「漫画村」をめぐるイベントでは、漫画家が意見を述べる機会も。4月24日に阿佐ヶ谷ロフトAで「海賊サイトによりマンガ文化が壊される!作家が生き残る方法とは?」と題するイベントが開催された(関連記事

 似たような問題として、過去には任天堂の携帯用ゲーム機ニンテンドー3DS向けのソフトのプロテクトが不正に解除され、コピーが流通していたという問題がありました。コピーできるからといって、コピーで遊んだり楽しんだりしていいとは限りません。

 海賊版に関しては、われわれも断固として「No」を突きつけるべきでしょう。これが、漫画村問題の最初のポイントでした。

電子書籍プラットフォーム問題:改善が必要

 次に問題として上がったのは、そもそも「海賊版に手を出してしまう理由」が、出版社が提供する公式プラットフォームの数の多さや使いにくさにある、という指摘です。漫画村は海賊版であるため、出版社を横断してコンテンツを取り扱っています。

 しかし公式なプラットフォームは当然ながら各社別々の、独自の仕様で電子書籍が取り扱われており、利用者から見ると使い勝手が大変悪いという問題があります。

講談社 講談社は2月に、漫画誌「ヤングマガジン」「モーニング」「アフタヌーン」「イブニング」「Kiss」「BE・LOVE」が読み放題の新Webサイトとアプリ「コミックDAYS」をリリース。出版社ごとのサービスが乱立している状態だ

 だからといって海賊版を利用していい理由にはなりません。しかし、これはこれで課題として注目すべきでしょう。漫画家として作品を作り出す側、そして元IT記者でもある山田胡瓜さんのインタビューでもその点が指摘されています。一利用者としての私も、漫画版「Spotify」や「Apple Music」のようなサービスが適価で提供されていたら、契約すると思います(いずれも音楽のストリーミングサービス)。

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