スマートスピーカーが“ゴール”とは限らない? ヤフーが考えるこれからの音声技術の勝負どころ(1/2 ページ)
天気やニュースを尋ねれば教えてくれ、ちょっとした雑談にも答えてくれる音声アシスタントや音声エージェントサービスは、今や私たちにとってとても身近な存在になった。では、そうした音声サービスはどのような技術で作られ、これからどのように進化しようとしているのだろうか。音声認識や自然言語処理などに積極的に取り組んでいるヤフーに話を聞いてみた。
ヤフーの音声技術とは
音声認識を使ったヤフーのサービスといえば、累計ダウンロード数250万を超える対話型音声エージェントアプリ「Yahoo!音声アシスト」(Android)が挙げられる。同社のWeb検索や経路探索、天気予報などさまざまなサービスと連携しており、「六本木から浅草まで」と話しかけて経路検索をしたり、「水曜日の天気は?」と言って天気予報を確認したりできる。
その音声アシストに使われている音声認識エンジンが「YJVOICE」だ。YJVOICEは2015年にDNN(ディープニューラルネットワーク、深層学習)を導入。従来の手法と比べると、同じデータ量で学習した場合、音声認識した文の正解率は10%ほど改善したという。音声認識業務などを行うヤフーの三宅純平氏(データ&サイエンスソリューション統括本部 サイエンス本部)は、「音声認識にディープラーニングを活用するなどの論文が発表されたのが2012年ごろから。そこから3年後という、それなりに早いタイミングで取り入れることができた」と話す。
三宅氏によれば、現状の音声認識で苦手なところを数十億単位で集めたデータから取り出し「音声データとその発話ラベルを教師データとして学習させている」という。
しかし、音声認識にディープラーニングを導入している企業は多い。他社の技術と差別化する要素の1つは、「検索クエリ」の活用という。
「ヤフーはWeb検索をはじめ、たくさんのクエリを持っているので、それを学習に利用している。例えば『東京』『から』『品川』という3つの組み合わせが共起しやすい(同時に出現する)確率を学習させ、次に来る単語の予測で正しいものを出しやすくする」(三宅氏)
「発話された音声がどういう発音だったか」の識別はディープラーニングで、「その音がどんな言葉だったか」変換するところは検索クエリの学習で、それぞれ精度を高めているという。
「自社で音声認識を持っていることの強みは、サービスに合わせて音声認識を改善できること。アプリごとに調整したり、(Web検索の)急上昇ワードを認識できるようにしたり、すぐに対応できる」(三宅氏)
しかし、音声認識技術だけではYahoo!音声アシストのようなサービスを作ることはできない。もう1つ重要なのがいわゆる「音声理解」――認識した文字列がどんな内容であったかをコンピュータに理解させる意味理解のための技術だ。「音声認識だけではなく、音声理解との蜜月が今後は大事になる」(三宅氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
個人向けGeminiのモデル選択が厳格化 無料ユーザーが使えるのは「Flash-Lite」のみに
-
2
「Androidのマイナンバーカード」提供へ 20日から 物理カードなしでも本人確認など可能に
-
3
「OpenAIの文化は壊れている」──安全性報告書を統括した従業員が退社し、寄稿
-
4
タイムズカー漏えいで集団訴訟の動き、登録3000人弱 呼び掛けた弁護士に聞いた──「謝罪で済む案件ではない」
-
5
再び浮上した「クレカ表現規制問題」 クリスタやpixiv FANBOXの騒動からマンガ家が感じた不安と焦り
-
6
「アバハウス」全顧客の情報漏えいか 会員・受注DBに不正アクセス 「不審な返金メール届いた」報告で判明
-
7
第一生命に不正アクセス 従業員情報12万人分漏えいか 退職者も対象
-
8
免許証の悪用防ぐ届出集中、CIC・JICCで手続き遅延 タイムズカー情報流出直後に
-
9
靴のムーンスター、顧客情報漏えいの可能性 氏名や住所、注文情報など
-
10
貧乏な子どもが“稼げる大人”になる条件とは? 米ハーバード大などがFacebook7000万アカウント超から分析 2022年にNature掲載
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR