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ポートレート撮影には「標準単焦点レンズ」を使え!(1/2 ページ)

» 2018年06月06日 06時00分 公開
[らいちITmedia]

 「写真はポートレートに始まって、ポートレートで終わる」とよくいわれます。構図や撮影技術はもちろん、被写体・モデルとなる人物との距離をも写す、奥深いものです。

 ポートレートには定石が無く、さまざまな表現手法やテーマがあります。そんな中で、皆さんは自分と、モデルさんの“ふたりにしか撮れない”世界を表現できていますか。どこかで誰かが撮っているような「ありふれた」写真になっていないでしょうか。

 晴れれば鮮やかに、雨が降れば情緒あふれる季節がやってきました。まず「標準レンズ」を手にとって、目の前のモデルさんを自分だけの世界に収めましょう。

35mm判換算40mm、F2.8、1/200秒、ISO100、WB:オート、露出:自動、ボディー:PENTAX K-1、レンズ:smc PENTAX-DA 40mm F2.8 Limited

(訂正履歴:2018年6月6日午前10時 「30mm F1.4 DC DN | Contemporary」の画像が誤っていたため、正しいものに差し替えました)

「中望遠」ではなく標準画角を選ぶ理由

 よくポートレート撮影では「中望遠」という、35mm判換算85mmや135mmといったレンズが向いているとされています。理由としては以下のようなポイントがよく挙げられますね。

•遠近感がつきすぎず(広角レンズのように)被写体の顔がゆがまない

•モデルと近すぎず、離れすぎない適度な距離感で写真を撮れること

•被写界深度が浅くなることで、モデルを背景と引き離し、強調できる

中望遠レンズの開放で撮影。背景がごちゃごちゃしてしまうネオン街ですが、被写体を強調し、撮影することができました/35mm判換算77mm、F1.8、1/20秒、ISO800、WB:手動、露出:手動、ボディー:PENTAX K-1、レンズ:FA77mmF1.8 Limited

 しかし、中望遠のレンズでは、その裏返しに遠近感やアングルによる画角選びの幅が狭くなってしまったり、被写界深度が浅くなることで、せっかくのロケーションを生かすことが難しくなります。

 そこで標準レンズの登場です。つまり、フルサイズでは50mm前後、APS-Cでは35mm前後の焦点距離を持つレンズですね(最近ではスマートフォンの普及で28mmなどを標準とする意見もありますが)。標準レンズの画角は「見た目に近い自然な画角」といわれており、写し方によって広角のような広い空間の演出や、中望遠レンズのように被写界深度が浅い、没入感のあるシーンの撮影ができます。癖がなく、使いこなせれば幅広い写真表現を撮れるレンズだといえます。

標準レンズで撮影。やや広めに切り取った集中線構図でモデルの存在感を強調しました/35mm判換算59mm、F2.8、1/80秒、ISO2000、WB:手動、露出:手動、ボディー:PENTAX 645Z、レンズ:smc PENTAX-FA645 75mm

入門「単焦点・まき餌」レンズ使いこなしのススメ

 「標準レンズを使ったポートレート写真」に使うためのレンズ選びですが、必ずしも高価なレンズは必要ありません。俗に「まき餌」レンズと呼ばれる、実勢価格で1万5000円〜4万円(税込、以下同)程度で販売されるお手頃な単焦点レンズを、各メーカーがそろえています。

 もちろんスペックは各社・各レンズそれぞれ違いますが、APS-Cなら28〜40mm前後、マイクロフォーサーズなら25〜30mm前後、フルサイズなら50mm前後で、約F1.4〜F2.8レンズがラインアップされています。

実勢価格1万4000円のフルサイズ向けキヤノン「EF50mm F1.8 STM
実勢価格3万4000円のAPS-C/マイクロフォーサーズ向けシグマ「30mm F1.4 DC DN | Contemporary
実勢価格1万7000円のマイクロフォーサーズ向けパナソニック「LUMIX 25mm/F1.7 ASPH. H-H025-K

(関連記事:レンズ沼に誘う新型の“まき餌レンズ”を試す――キヤノン「EF50mm F1.8 STM」

(関連記事:取り回しの良さが光るミラーレス向け大口径単焦点レンズ――シグマ「30mm F1.4 DC DN | Contemporary」

(関連記事:オールマイティーにこなす買い得レンズ――パナソニック「LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.」

 これらの標準単焦点レンズは開放F値が低く、被写界深度を浅く撮れます。また低価格のために収差・逆光耐性などの性能が、高価格なレンズに比べて抑えめなのも逆にメリットだと僕は考えています。例えば、映り込む光線の角度を調整することによって写真にフレアを入れたり、写真の隅に向かって暗くなったり(周辺光量落ち)、少しにじむような「味」のある演出など、個性を出しやすいレンズとして利用できるということです。

太陽は桜の向こう側になるように逆光で撮影したため、レンズ内反射によるゴーストが入り、全体的にフレアがかったコントラストの低い写りになりました。最新の高価格なレンズはこういったゴースト・フレアが入りにくいように設計されているため、こういった効果も低価格帯レンズならではの楽しみといえます/35mm判換算59mm、F2.8、1/160秒、ISO100、WB:手動、露出:手動、ボディー:PENTAX 645Z、レンズ:smc PENTAX-FA645 75mm
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