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小惑星リュウグウは「こま型」 はやぶさ2が撮った写真、JAXAが公開

» 2018年06月21日 17時49分 公開
[ITmedia]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月21日、小惑星探査機「はやぶさ2」のカメラが約100キロ離れた地点から撮影した、小惑星「リュウグウ」の写真を公開した。これまでリュウグウは丸い形と想定されていたが、実際はこまのような形状で、中央や頂点にクレーターらしきものがあると分かった。

photo はやぶさ2のカメラが約100キロ離れた地点から撮影した、小惑星「リュウグウ」の写真=JAXAの動画より

 21日正午時点、はやぶさ2は、リュウグウまで約76キロの地点に到達した。27日前後、リュウグウの高度約20キロの地点に到着する見通し。

 JAXA宇宙科学研究所の吉川真さん(『はやぶさ2』プロジェクトチーム ミッションマネジャー)は「こま型は意外だった」と話す。これまでもこま型の小惑星は多数見つかっているが、いずれも自転周期が2〜4時間程度と短かった。しかしリュウグウは自転周期が7.5時間と長く、こま型にはなりにくいと考えられていた。

 吉川さんは「詳しい情報がなく何とも言えないが、かつては自転速度が速かったはずだが、何らかの要因で遅くなった可能性がある」と説明。今後、はやぶさ2のミッションを通じて調べていく考えだ。

 「プロジェクトチームからは『機動戦士ガンダム』の要塞『ソロモン』に似ているのではないか、という声も上がった」(吉川さん)

photo JAXA宇宙科学研究所の吉川真さん

 はやぶさ2は、7月末にリュウグウの高度約5キロ、8月に高度約1キロの地点から観測。9〜10月には小型ローバを投下し、小惑星の表面を直接観測する。その後、はやぶさ2も着陸し、表面物質を採取する他、上空から銅の塊を打ち込み、人工クレーターを作成して地下物質を採取する計画もある。2020年末に地球へと帰還する予定だ。

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