ITmedia NEWS > 科学・テクノロジー >

「はやぶさ2」、スイングバイ成功を確認 小惑星へ「行って参ります」 地球の写真も送信

» 2015年12月14日 14時49分 公開
[ITmedia]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月14日、小惑星探査機「はやぶさ2」が12月3日に実施した地球スイングバイに成功し、小惑星「Ryugu」へ向かう軌道を順調に航行していることを確認したと発表した。

photo はやぶさ2の軌道イメージ。打ち上げ後は地球と似た軌道をたどっていたが、スイングバイで小惑星へとかじを切った

 はやぶさ2は打ち上げから1年後の今月3日夕方、ハワイ上空約3090キロに最接近するスイングバイを実施。軌道を80度曲げ、スピード(太陽に対する)はプラス秒速1.6キロの秒速31.9キロに。目標数値を達成したことを確認した。状態も正常という。

photo はやぶさ2が撮影した地球。オーストラリア大陸と南極大陸が見える=JAXAのニュースリリースより

 スイングバイ終了後、はやぶさ2の光学航法カメラ(ONC-T)で撮影した地球の画像も公開した。

 14日午前0時現在、はやぶさ2は地球から約415万キロのところを航行中。巡航速度は32.31キロと、スイングバイ後に太陽の重力の影響で加速している。極点付近を含む南極大陸が写っているのは貴重という。

 津田雄一プロジェクトマネージャは感謝するとともに、「はやぶさ2はスイングバイにより軌道エネルギーを獲得し、これより地球を離れます。進路「Ryugu」。それでは地球の皆さん、行って参ります」とコメントしている。

 はやぶさ2は地球から約3億キロ離れた小惑星「Ryugu」へ2018年の到着を目指している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.