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» 2018年06月25日 18時38分 公開

PayPal、クレカがなくても利用可能に 口座振替で決済

オンライ決済サービス「PayPal(ペイパル)」がクレジットカードなしでも利用できるようになる。PayPalアプリで銀行口座を登録すると、口座振替を使ってリアルタイムに支払いができる。7〜8月に順次導入する。

[村田朱梨,ITmedia]

 オンライン決済サービス「PayPal(ペイパル)」を展開するPayPalは6月25日、同サービスの支払いを銀行口座を利用してリアルタイムで行える新機能を7〜8月に順次導入すると発表した。これまでPayPalで支払いを行うにはクレジットカードやデビットカードの登録が必要だったが、口座振替を追加したことで「クレジットカードを持っていない人、カードを使いたくない人でも安心してペイパル決済が利用できる」(同社の瓶子(へいし)昌泰ディレクター)という。

photo オンライン決済サービス「PayPal」
photo 6月25日に発表した新機能

 新機能では、PayPalに銀行口座を登録してPayPalの口座と連携。銀行口座の振替機能を使って支払う。連携可能な銀行口座は、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、ゆうちょ銀行の個人口座で、PayPalアプリで登録できる。登録の際は口座名義や口座番号などに加え、各銀行が設定した情報の入力が必要だ。

photo 銀行口座の登録画面(イメージ)

 「ECサイトでの買い物などの支払いを銀行振込で行う場合、手数料が発生するが、PayPalにひも付ければ(一般的な口座振替と同様)手数料はゼロになる。またPayPalで一定金額を定期的に支払う場合も、銀行口座をひも付けておけばその度に振り込む必要がなく、自動で支払うことができる。従来の銀行振込とは違う利便性を提供できる」と瓶子ディレクターは言う。

 ユーザーの利便性を高めることはもちろん、新しい支払い方法を追加することでPayPalを導入している企業にもメリットがあるという。例えば電子チケット販売サービス「Peatix」を運営するPeatix Japanの共同創始者で代表取締役の岩井直文氏は「Peatixには大きく分けて、クレジットカードと、ATMやコンビニでの支払いといった現金系の決済手段があり、3分の1強は現金系。しかし、現金を使った決済は手間がかかるのでチケットを購入しても支払いをせず、行くのをやめるといった未入金の確率が上がる」と話す。クレジットカード以外の支払い手段の導入には、こうした未入金を防ぐ狙いもあるという。また岩井氏は「コンビニ支払いでは電子チケットを発行するまでにタイムラグが発生してしまうが、(PayPalの銀行口座振替を使った)リアルタイムな支払いですぐにチケットを届けられる。ユーザーにとっても大きなメリットだ」とした。

photo 企業側のメリット

個人が企業からの送金を受け取れる機能も追加

 さらにPayPalは同日、企業から個人ユーザーに向けて1回当たり10万円までの支払い機能を追加すると発表した。

photo 企業から個人へ送金が可能に

 クラウドソーシングや副業など、個人が支払いを受ける立場になるケースが増えていることを受けたもの。ユーザーはお金を受け取ったらそのままPayPal口座で利用できる他、本人確認を行えば銀行口座から引き出せる。なお、口座振替機能で上述の6行のいずれかの口座を登録済みの場合は即座に本人確認を行い、銀行口座からもすぐ引き出せるとしている。

 送金する企業は、個人ユーザーのメールアドレスと金額を指定するだけで、国内外へリアルタイムで支払いが可能。送金はCSVファイルやAPI連携で指示できるため、多数の宛先に異なる金額の送金を一括指示できるなど時間とコストの削減につながる他、「ユーザーのメールアドレスだけを管理すればいい」「送金するとユーザーにPayPalから自動で通知が届く」といったメリットもあるという。

photo 企業側のメリット

 すでにウェイブダッシュのチケット売買サービス「チケット流通センター」やピクシブのネットショップ開設サービス「BOOTH」や、グッズ作成サービス「pixiv FACTORY」などが導入予定と発表している。

 同社では今後もこうした機能拡充を通じて、新規ユーザー獲得を狙う。現時点ではQRコードを使った決済サービスや、個人間送金などは提供していないが、今後も市場の動向を見ながら検討を進めていくという。

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