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ソフトバンク、「駐車場シェア」開始 AI使って需要予測 Yahoo!カーナビ連携も

» 2018年07月13日 14時52分 公開
[井上輝一ITmedia]

 ソフトバンクは7月13日、駐車場の貸し手と借り手をつなげるシェアリングサービス「BLUU Smart Parking」(ブルースマートパーキング)を発表した。スマートフォンアプリ上から駐車場の利用予約ができる他、駐車場へのナビゲーションに「Yahoo!カーナビ」と連携する。貸し手も、従来より低コストで余った土地に駐車場を導入できるという。

駐車場の貸し手と借り手をつなげるシェアリングサービス「BLUU Smart Parking」(ブルースマートパーキング)

 8月20日ごろからβ版のトライアルを始め、まずは大都市圏を中心に10月下旬からサービスを正式開始する。まずiOS11以上のiOSデバイス向けにアプリを提供し、今秋以降にAndroidデバイスにも対応する予定。

 本サービスでは、利用者側は駐車場の検索、予約、決済までスマホアプリのみで完結できる。駐車場については、まずは法人向けに土地貸し出しを呼び掛ける。個人宅の土地利用についても順次案内し、駐車場として利用できるようにしたいとしている。

アプリ画面

既存の駐車場に比べ、IoTデバイスで低コストに

 既存のパーキングシェアサービスに対する強みは、「Yahoo!カーナビとの連携」「駐車場設置機器の低コスト化」「シェアリングサイクルとの連携」「AIによる駐車場需要の可視化」だという。

 iOSやAndroidデバイスからカーナビとして利用できるYahoo!カーナビと連携し、アプリ上から駐車場を検索しナビゲーションなどを行える(詳しい仕様は策定中)。

Yahoo!カーナビと連携

 駐車場に設置する機器としては、従来の精算機やフラップ板ではなく、カメラセンサーや磁気センサーを搭載するIoTデバイスを置くことで、クルマのナンバー認識や入出庫管理を行う。導入時の具体的な価格は非公開としたが、従来のシステムより安く導入できるという。

法人の駐車場に設置する、BLUUのカメラセンサーの詳細
個人の駐車場に設置する、簡易的な磁気センサー

 また、ソフトバンク傘下OpenStreetのシェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」(ハローサイクリング)との連携も発表。具体的な連携方法は未定だが、駐車場から実際の目的地への「ラストワンマイル」をシェアサイクルで移動できるような連携を目指す。

シェアサイクルとも連携

 周囲の駐車場の価格情報や地域の人口データなどから、その場所に駐車場を設置した場合の需要や価格を予測できるAIエンジンも開発した。需要を可視化することで、土地提供を見込める顧客にレコメンドしたい考えだ。

 ソフトバンクの北原秀文本部長(テクノロジーユニット 技術戦略統括 グローバル事業戦略本部)は、「シェアリングエコノミーに対しては抵抗感を持つ人もいると思うが、一度体験してみるとその便利さがよく分かる。ソフトバンクのデータ分析を活用したパーキングシェアで、駐車場の新たな利便性を提供していきたい」と意気込んだ。

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