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» 2018年08月04日 06時00分 公開

「養命酒になりきって考えた」 なぜスマスピと合体? 「AI養命酒」誕生の裏側 (1/4)

なにかと養命酒を勧めてくるスマートスピーカー「AI養命酒」はいかにして生まれたのか。ユニークすぎる製品を共同開発した養命酒製造と凸版印刷に聞いた。

[村上万純,ITmedia]

 「エイプリールフールでしょ?」「すごいのぶっこんできた」──これは、まるで養命酒と会話しているかのような気持ちに浸ることができるというスマートスピーカー「AI養命酒」に対するTwitter上の声だ。

AI 左が本物の薬用養命酒で、右がAI養命酒。大容量の4万6100mAhバッテリーでパッケージを再現

 Googleアシスタントを搭載したソニーのスマートスピーカー「LF-S50G」に、薬用養命酒の商品そっくりのカバーをかぶせたもので、Googleアシスタント向けに「AI養命酒」という独自アプリも開発。内側から外側まで全てを養命酒仕様にした。

 AI養命酒に向かって「なんだかだるい」と話しかければ「養命酒をお試しください。疲れた胃腸や体に生薬がじわっと効きますよ」と答えるなど、何かと養命酒を勧めてくるのが特徴だ。

 7月13日に「養命酒と会話できる!」「OK!養命酒」といった斬新な文言が並ぶプレスリリースがITmedia宛に送られてきたときは頭の中に「???」が浮かんできてしまったが、400年の歴史がある薬用養命酒と、いま話題のスマートスピーカーをなぜ合体させたのだろうか。

 同社はこれまで、養命酒の歌「胃腸de上々」のリズムゲーム養命酒のパッケージを模したモバイルバッテリーなどの変わった製品やサービスを提供してきた。今回のAI養命酒でも「また養命酒か」という声が上がったように、振り切ったWebプロモーションをする会社というイメージを持っている人もいるだろう。

 今回のAI養命酒は、どのような経緯で生まれたのだろうか。そして、突き抜けたプロモーションができる理由は。

「AI養命酒」プロジェクトの主なメンバー

  • 養命酒製造マーケティング部鳥山敦志さん(専門課長)
  • 同佐熊亮寛さん
  • 凸版印刷 諫山典生さん(トッパンアイデアセンター西日本TIC本部 プロデューサー)
  • 同松尾光泰さん(九州事業部 係長)
  • 同伊藤朝雄さん(トッパンアイデアセンター コミュニケーションデザイン本部 係長)

メンバー 「AI養命酒」の開発メンバー。左から養命酒製造マーケティング部鳥山敦志さん、同佐熊亮寛さん、社員のビンくん、凸版印刷の諫山典生さん、松尾光泰さん、伊藤朝雄さん

「養命酒はAIスピーカーみたいなもの」

 本題に入る前に、AI養命酒の開発秘話が載っている特設ページを確認したい。ここでは、養命酒社員の「ビンくん」の挑戦が描かれている。「貴婦人による1通の手紙からプロジェクトは始まった」「きっかけは3年半前にさかのぼる」「技術者不足で苦悩するビンくんに、アプリ開発などができる箱さんが協力」とあるが、これはどこまでが本当でどこまでがネタなのか……? 

AI どこまでが本当でどこまでがネタなのか分からない「AI養命酒開発秘話

 AI養命酒は養命酒製造と凸版印刷が共同開発したもので、養命酒を模したカバー、中身のスマートスピーカー、Googleアシスタント向けのAI養命酒アプリで構成される。開発秘話の「ビンくん」が養命酒製造、アプリ開発などの技術協力をした「箱さん」が凸版印刷という位置付けだ。前例のない“しゃべる養命酒”を作るにあたり、プロジェクトメンバーたちは「自分が養命酒になったつもりで、どんな会話をするのかを考える」ことを心掛けたという。

 実は凸版印刷の担当者のうち2人は九州が本拠地。東京と九州を行き来しながら、実質4カ月ほどのスピード開発で今に至っている。その間、どんなやりとりがあったのか。

――(ITmedia村上) ずばり、なぜ養命酒とスマートスピーカーという一見接点のなさそうなものが合体したのでしょうか。

養命酒製造鳥山さん 養命酒はロングセラー商品なこともあり、年配の方が飲むものというイメージがあります。20〜30代の若い人にも飲んでもらいたいと思い、どういうコミュニケーションの方法があるかを考えた所、その1つがAIスピーカーだった。生活の中にあって、私たちの生活をサポートしてくれるものという意味では、養命酒もAIスピーカーみたいなもので、同じだなと。

―― スマートスピーカーと養命酒は同じ。

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