このときは4人で会話してみたが、目の前に人間っぽいアバターが出現していることで、対面に近い存在感がある。ただし、表示されるのはアバターの上半身とコントローラーを持つ片手のみ。HTC Viveを使い、バーチャルキャストで等身大キャラの両手両足を動かした経験があるとやや物足りなく感じてしまうが、ビデオ会議よりもリアル感があるのは間違いない。
Oculus Goでは片手用のコントローラーがあるだけなので、基本的には声でのコミュニケーションになる。Rooms内は、動画や音楽の試聴、写真共有、卓上ゲームなどができ、ソファやテーブルなどが置かれた、まさしく自室のような空間になっている。
しかし、今回の目的はあくまで会議。みんなでリビングでくつろいでアニメを見ながらゲームをするわけではないのだ。ビジネス的な用途でどこまで使えるのだろうか。
平面なディスプレイを通してビデオ会議で会話するより、やはり同じ空間を共有している方が会話が弾む。発話すると、それに合わせて口元が動くリップシンク機能も備わっており、より「話している感」が出るのも特徴だ。音質や遅延も気にならない。
だが、メモを取ったり、チャットでメッセージを送ったりといったテキストベースのコミュニケーションはできない。ビデオ会議でもよくある「同じ資料を画面で共有しながら話す」といったこともRoomsではまだ難しい(写真は投写できる)。他のアプリではブラウザ画面を共有できるので、代替サービスを使うことで用途に合ったバーチャル会議を実施できるかもしれない。
そういう意味で、Roomsは「会話を中心としたコミュニケーションをしたい」場合はビジネス用途でも十分実用的といえる。
ただし、記事ネタをいろいろ出してみてもそれらをパパッとメモできない。「VR Chat」や「バーチャルキャスト」「NEUTRANS BIZ」といったサービスではマーカーペンでバーチャル空間内に文字を書き込めるが、手早くメモを取るには音声認識によるテキスト入力機能などが欲しい所だ。
そして、会議をしていたはずなのに、最後はなぜか卓上ゲームで遊ぶ流れに。オセロや神経衰弱などシンプルなゲームが多いが、これがなかなか面白い。
特に、与えられたアルファベットを組み合わせて英単語を作るワード作成ゲームは白熱した。本来は語彙(ごい)力が試されるゲームだが、お手つきがないので勘を頼りに適当にワードを量産するほど必死になってしまった。ビジネス活用をする上での一番の敵はこのゲーム機能かもしれない。
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