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VR空間で“バーチャル取材”を体験 「HoloLens」使う施設案内も

» 2018年03月22日 18時48分 公開
[上田奈々絵ITmedia]

 リクルートテクノロジーズは3月22日、同社が運営するオープンイノベーションスペース「アドバンスドテクノロジーラボ」(東京都渋谷区、以下ATL)で、MR(Mixed Reality=複合現実)技術を活用した施設ガイダンス体験会を開催した。ATLでは、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)技術開発者やクリエイターが「客員研究員」として、開発用の設備を無料で使用できる。

ATL マイクロソフトのヘッドマウントディスプレイ「HoloLens」

 リクルートテクノロジーズの櫻井一貴さん(経営企画部 広報コミュニケーショングループ兼アドバンスドテクノロジーラボ)は「MRの定義は難しい」とした上で、「現実と現実がデジタルを介して融合する世界」と定義する。

MR アドバンスドテクノロジーラボで定義するMR

 マイクロソフトのヘッドマウントディスプレイ「HoloLens」を使って、その場にいない人の像を映し、あたかも目の前に存在しているかのようにコミュニケーションしたり、VRヘッドマウントディスプレイを使い、バーチャル空間内で勉強会やセミナーを開いたりといった体験の提供を実現したいという。今回はMR技術による施設案内と、VRソーシャルサービス「VRChat」内に再現したATLルームでそのコンセプトを体感してきた。

VR VRソーシャルサービス「VRChat」を体験

 VRChatはバーチャル空間内で、声や身振り手振りを使ってコミュニケーションできるVRソーシャルサービス。今回はVRChat空間上に再現されたATLのルーム製作者に“バーチャル取材”をしてみた。ロボットのアバターを身にまとって記者の正面に現れた彼は、ATLの客員研究員だ。「VR空間の壁面にスライドや映像を投影できるため、さまざまな用途に対応できる。現在、このチャットルームはプライベート公開の状態だが、もう少し作りこんだらパブリック公開しようと考えている」と身振りを交えて話す。リクルートテクノロジーズの担当者は「VR空間を利用した勉強会は近いうちに実現したい」としている。

VR 「VRChat」内でバーチャル取材
VR ATLの施設内をバーチャル空間に再現した

 MR技術による施設案内には「HoloLens」を使用。HoloLensを装着してATLの施設内を見渡すと、所々に女性や客員研究員の映像が浮かび上がる。その映像に重なるように指で空中をタッチ(エアタップ)すると、映像内の人物がしゃべりだし、HoloLensから音声が流れる。HoloLens関連アプリなどを手掛けるホロラボと共同で、ポイントクラウド(点群)データを使って人物を表示しているという。

MR

 櫻井さんは、「現状のMRは視野角が狭いのが課題。まだB2B向けのコンテンツが中心で、実用化にはさらなる進化が必要」としながらも、「リクルートの事業はグルメ、結婚、住まいなど、ユーザーに体験価値を届けるものが多い。いずれは新しい技術やデバイスを通して、新しい体験を届けたい」と展望を語った。

櫻井さん リクルートテクノロジーズの櫻井一貴さん

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