ITmedia NEWS > 製品動向 >

生体リズムを崩さないLED照明「ライトサイクル」、ダイソンが発売

» 2018年09月14日 20時57分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 ダイソンは9月14日、新しい家庭用LED照明「Dyson Lightcycle」(ダイソン ライトサイクル)と空気清浄機能付きファンヒーター「Dyson Pure Hot+Cool」(ダイソン ピュア ホットアンドクール)を発表した。Dyson Lightcycleは10月3日、Dyson Pure Hot+Coolは10月17日に発売する。価格はいずれもオープンプライス(直販価格は未公開)。

新製品のLED照明「Dyson Lightcycle」と空気清浄機能付きファンヒーター「Dyson Pure Hot+Cool」。中央は空調カテゴリーのディレクターを務めるSam Bernard氏

 Dyson Pure Hot+Coolは、「羽根のない扇風機」で知られる同社の「エアマルチプライアー」技術を応用したファンヒーターだ。機能的には今年春に発売した「Dyson Pure Cool」に1400ワットのセラミックプレートヒーターを追加した形で、空気清浄機能は共通だ。広げると9メートルの長さを持つ「360°グラスHEPAフィルター」と3層の活性炭フィルターでPM 0.1レベルの微粒子でも99.95%取り除く。また空気中の微粒子やVOC(揮発性有機化合物)、NO2(二酸化窒素)量を計測できるセンサーを内蔵し、前面ディスプレイやアプリ画面で空気の汚れ具合を確認できる。

運転モードを「AUTO」にしておくと、空気の汚れを検知して自動的に運転を開始する。空気の汚れ具合はアプリ画面でも確認できる
発表会場に展示されたカットモデル。昨年の Hot+Coolに比べるとヒーターの能力アップに加え、取付位置が若干変更された。空気が吹き出すスリットの近くにヒーターを搭載し、効率的に空気を暖めるという

人体のリズムをくずさない照明

 一方のDyson Lightcycleは、LEDタスクライト「CSYS」(シーシス)の後継機。シンプルなデザインや人工衛星の冷却方法を参考にしたLED冷却機構「ヒートパイプテクノロジー」はそのままに、新たにBluetooth通信機能を内蔵。スマートフォンアプリ「ダイソンリンク」(iOS/Android)で調光や調色が行える。

LEDモジュールの数を増やして最大照度を1000ルクス以上とした上に新開発の7角形リフレクターで光源の下を広く均一に照らす

 またGPS情報と日時を基に「その場所、その時間の自然光」に合わせて色温度と明るさを常時自動調節する「オート」モードを搭載。人体のサーカディアンリズムに影響を及ぼさない明かりを目指した。

 「電球が開発されるまで、人は太陽光のサイクルに合わせて活動していた。われわれは人工的な明かりのおかげで日没後も活動できるが、例えば睡眠ホルモン(メラトニン)の生成などに影響している。光の色や明るさは生活のサイクルにおいても重要だ」(DysonのCEO、ジム・ローウェン氏)

明るさは100〜1000ルクス、色温度は2700〜6500ケルビンの間で調節できる。演色性も90Ra以上を確保した

 この他、「学習」や「作業」「リラックス」といったシチュエーションに適した色温度と明るさに設定されたプリセットモードを用意。最も明るく寒色の明かりになる「ブースト」モードは、集中力を高めたいときに有効だ。ただし、ブーストモードの長時間使用は生体リズムに影響を与える可能性もあり、20分後には自動的にオフになる仕組みだ。

左が「リラックス」、右は「作業」の明かり

 スマホアプリを通じて着々と「つなぐ」家電を増やしているダイソンだが、集めた情報の扱いには配慮している様子。発表会にビデオメッセージを寄せたジェイク・ダイソン氏(創業者ジェームズ・ダイソン氏の子息でLEDライトのチーフエンジニア)は、「われわれが製品を『つなぐ』のは問題解決の手段としてであり、アプリを介して製品から得たデータを第三者に売買するなどの考えは一切ない。シンプルにより良い製品の開発に生かす」と説明した。

ビデオメッセージに登場したジェイク・ダイソン氏。Dyson創業者・ジェームズ・ダイソン氏の子息で、LED照明を手掛ける「ジェイク ダイソン ライト」を設立したが、2015年4月にDysonに合流した

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.