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「Chrome 70」でChromeへのログイン必須を解除へ フィードバックを受けて修正

» 2018年09月26日 22時34分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Googleは9月26日(現地時間)、Chrome 69から追加した、Googleのサービスにログインすると自動的にChromeにもログインする機能を、10月中旬リリース予定のChrome 70で変更すると発表した。「われわれは、皆さんのフィードバックに耳を傾け、感謝しています」。

 同社が特に告知せずに、プライバシーにかかわる可能性がある仕様変更をしたことが明らかになり、多数のブロガーなどが批判していた。

 Chromeへのログインは、2011年12月リリースのバージョン16で追加された機能。これにより、数の端末上のGoogle Chromeの各種設定(ブックマーク、拡張機能、アプリケーション、テーマ、ブラウザの各設定、開いているタブなど)を同期でき、かつ、1台の端末に複数のユーザーの設定を保存し、切り替えて利用できるようになった。

 26日の公式ブログでGoogleは、Chrome 69での変更は、1台の端末を複数のユーザーで使っている場合に、GoogleサービスのログインとChromeへのログインを連携させておかないと混乱が生じるというフィードバックに対応するためだったと説明した。

 そのため、サービスとChromeへのログインは連携させたが、Chromeにログインしただけでは各種設定の同期(およびそのために必要な個人情報のGoogleサーバへの提供)は始まらないようにした。同期もするためにはさらに、ユーザーが設定を変更する必要がある。

 それでもこの変更は個人データを知らずにGoogleに提供することにつながる可能性があるとするフィードバックを受け、Chrome 70では以下のように変更する。

  • われわれは今でも、サインインの一貫性(GoogleサービスとChromeへの同時ログイン)は多くのユーザーの助けになると考えているが、GoogleサービスとChromeへのログインの連携を解除するオプションを追加する(下の1つ目の図)。このオプションを有効にすれば、従来通りGoogleのサービスにログインしてもChromeにはログインしないようになる
  • ユーザーの同期状態が分かりやすいようにGoogleアカウントの表示(ツールバー右端のユーザーアカウントアイコンをクリックすると表示されるカード)を変える(下の2つ目の図)
  • 現在は、ユーザーがcookieをクリアしてもログイン状態を保てるように、Googleの認証cookieはクリアしないようにしているが、Chrome 70からは、ユーザーがcookieをクリアしたらGoogleの認証cookieもクリアし、ログアウトするようにする
 chrome 1 Googleサービスにログインする際表示される予定の通知
 chrome 2 左から、サインアウト状態、サインインしたが同期していない状態、サインインし、同期している状態

 この発表を受け、Chrome 69での変更に苦言を呈していたジョン・ホプキンズ大学のマシュー・グリーン准教授は自身のTwitterアカウントで「Googleは改善はしたが、(Chrome 69)以前よりまだ侵襲的だ。(中略)私はもうこの件については文句は言わないが、これをGoogleとの離別のスタート地点とする。(中略)どのみちChromeはGoogleのブラウザなのだから、Googleが好きなようにすればいいのだ。私はこれから、Firefoxユーザーになる」とツイートした。

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