AI(人工知能)やIoTがトレンドになり、企業内で大量のデータを収集できるようになったことで、高度なデータ分析力を持つデータサイエンティストに注目が集まっている。しかし、日本企業がデータサイエンティストやデータサイエンスを重視し始めたのはここ数年の話だ。
「数年前からビッグデータというワードはありましたが、日本ではデータサイエンティストはそこまで注目されていなかった印象です。私が就職先を探していた2013年ごろは、データサイエンティストを募集する日本企業はほとんどありませんでした」――社会人向けにデータサイエンティストを育成するプログラムを提供するデータミックス(東京・神保町)の堅田洋資社長は、こう話す。
堅田社長は、米サンフランシスコ大学でデータサイエンスの修士号を取得した、数少ない日本人のうちの1人。米国ではGoogle、Facebook、UberなどのIT企業がデータ分析に力を入れる中で、日本では一部の大手IT企業、コンサルティング会社、マーケティング会社など、就職先がかなり絞られて選択肢がない状態だったという。
堅田社長は「ディープラーニングの登場でAIがトレンドになり、機械学習が市民権を得てきたことで、データサイエンティストもあらためて注目を浴びるようになったのでは」と指摘する。
データミックスでは、需要が高まるデータサイエンティストの育成事業を行っている。政府や企業もデータを活用できる人材の不足を嘆いている現状がある。
経済産業省が16年に公開した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、日本国内でビッグデータ、IoT、AI(人工知能)などを担うデータ活用人材は、18年時点で3万1000人、20年に4万8000人が不足するとされている。
企業にとっても国にとってもデータを活用できる人材の育成が叫ばれるが、そもそも“データ活用人材”という漠然とした言葉は何を指すのだろうか。いま企業で求められているデータサイエンティストをひと言で表すなら、「ビジネスの課題を高度なデータ分析技術で解決する人」といった所だろうか。具体的にどのようなスキルを持つ人物なのか。
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