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» 2018年11月20日 08時00分 公開

架空世界で「認証」を知る:「新世紀エヴァンゲリオン」で初号機はシンジをどう“認証”しているのか (1/3)

小説、漫画、アニメ、映画などの架空世界に登場する「認証的なモノ」を取り上げて解説する連載をITmediaで出張掲載。第4回のテーマは「血筋認証」。

[朽木海,ITmedia]

この記事は認証セキュリティ情報サイト「せぐなべ」に掲載された「架空世界 認証セキュリティセミナー 第4回『架空世界の血筋認証』」(2017年8月24日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。当時未発売だった製品やサービスの記述などは、本記事掲載時の状況に合わせて編集しています。

現実では未だ実現していない認証たち

 ……それでは講義を始める。

 まずは前回のおさらいからだ。「生体認証」として「東のエデン」「フェイス/オフ」「天使と悪魔」、そして「メタルギアソリッド」シリーズを紹介した。いずれも身体の特徴を鍵として認証するものだった。

 さて、今回は想像の翼を広げて、現在の技術では実現していない、あるいは伝説的な認証について紹介していこう。

 現在の技術で実現していない認証といってもいろいろあるだろう。例えば「精神感応」や「血筋」、あるいは「魂の形」を認証する……。どうやって実現すればいいのか分からないものばかりだ。

 ただ、架空世界ではそれなりに登場するモチーフであることは間違いがない。その中でも今回は特徴的なものを紹介していこう。

 最初に紹介する架空世界は新世紀エヴァンゲリオンだ。

「シンクロ率安定、ハーモニクスすべて正常値」

 まずは基本データから、といってもご存じの諸君も多いだろう。1995年から放映されたテレビアニメ作品で、その後映画化。2006年からは新たな設定で「リビルド」された新劇場版が順次上映されている。

 14歳の少年である碇シンジが、汎用人型決戦兵器・人造人間エヴァンゲリオンに乗り込んで謎の敵「使徒」と戦う……というのが大まかなストーリーだ。

 実を言うと、この一連の講義を引き受ける際の打ち合わせで最初に出てきたのが、この「新世紀エヴァンゲリオン」だった。担当者いわく「エヴァは遺伝子認証ではないですかね?」とのことだったが、私は違うと思っている。

 まず、汎用人型決戦兵器・人造人間エヴァンゲリオンについて簡単に解説しよう。

 機械的なロボットのように見えるが、その名の通り巨大な人造人間である。ロボティクスを応用した外部装甲を装着しているため、機械的な外見に見えるだけである。

 ただ、基本的に単独で行動することはできず、パイロットを必要とする。パイロットとはA10神経という実在するドーパミン神経系を介して接続され、「シンクロ率」が一定に達すると起動するようになっている。

 ここからは若干のネタバレだが、エヴァのパイロットは基本的に母親のいない14歳の少年少女が選ばれている。これは、エヴァの魂がその母親のものであることに起因するためだ。

 つまり、パイロットが母親を、母親がパイロットを受け入れるかどうかが起動の鍵となっている。一種の「精神感応認証」といっていいだろう。

 当然、エヴァがパイロットを受け入れれば起動するので、この認証にはいろいろと回避策がある。

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