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自撮りも“3Dアバター”の時代に? 若者がハマる「ZEPETO」アプリとは

» 2018年12月26日 13時26分 公開
[村上万純ITmedia]

 InstagramやTwitterなどで、「#ZEPETO」というハッシュタグと共に、3Dアバターを投稿する若者が増えている。Instagramにおける#ZEPETOの投稿は81万件に上る(2018年12月26日時点)ほどで、友達との集合写真もあれば、恋人と並んだカップル写真などもある。アバターで自撮りしているようなイメージだ。

ゼペット (画像提供:SNOW JAPAN)

 「ZEPETO」(ゼペット)は、韓国NAVERの子会社SNOWが開発した3Dアバターソーシャルアプリ(iOS/Android、基本無料)。2018年8月ごろにリリースし、App Store無料ランキングでは日本、米国、カナダなどを含む35カ国で1位を獲得したという(同社調べ)。SNOW JAPANの事業統括を担う崔智安さんは「日本の若者にヒットしたSNOWは、アジアを中心に盛り上がった。ZEPETOのようにグローバルでヒットすることはこれまでなかった」と話す。

 いまはバーチャルYouTuberブームなどもあり、バーチャルキャラクターやアバター文化が日本でも徐々に浸透してきている。そんな中、ZEPETOはどのように若者の心をつかんだのだろうか。

実写よりも「簡単に盛れる」

 ZEPETOでは、カメラで自分の顔を撮影するだけでアバターを作成可能で、その後に髪形、目、鼻、口、骨格などのカスタマイズもできる。筆者も作ってみたが、撮影するだけでもなかなかそっくりのアバターになった。

ゼペット

 アプリのホーム画面では、自分の部屋の中にアバターが立っている。アプリ内コインを使い、アバターの着せ替えや、部屋の家具、アバターのモーション(ポージング)などを購入可能。アプリ内のクエスト(ゲーム)をこなしたり、動画広告を視聴したりするとコインがたまる。課金でも入手できる。

 現時点では、他の人のアバターをフォローしたり、フォロワー同士でメッセージを送り合ったり、友達のアバターと一緒に写真を撮ったりといった機能を実装。崔さんは「SNOW社が得意とするARやAI技術などを使った機能も追加されると思う。いまは顔認識しかできないが、体の動きと連動したコミュニケーションもあり得る。現実空間との組み合わせも考えられる」と説明。「AI技術については個人的にも関心があり、SNOWの強みの1つでもあると思う。AIで顔認識し、ARでエフェクトを付けるといった表現もできそうだ」(崔さん)

ゼペット

 現状は、任意の背景画像を設定することで「アバターと現実の自分が同じ空間に存在するように見せる」「アバターの背景を実写に変える」といった演出が可能になっている。AR機能を使えば、現実空間にアバターを出現させて動かすといったこともできそうだ。

ゼペット
ゼペット

 自分に似たアバターを手軽に作れるのがZEPETOの魅力の1つ。しかし、国や地域の文化によって「かわいい」と感じるデザインには幅がありそうに思える。

 崔さんは、ZEPETOがグローバルで流行した理由をどのように考えているのか。

ゼペット SNOW JAPAN事業統括の崔智安さん

 「実在するモデルは人種や文化の壁があるが、スタイリッシュな3Dアバターにすることでグローバルに受け入れられたと思う。これまでのアバター作成サービスはセンスがないと作れないものもあったが、誰でも簡単に作れるのが特徴だ」(崔さん)

 さらに、色味にはこだわったという。髪色や眉毛、唇、頬の色なども細かく指定できる。このように“簡単に盛れる”ことが若者に響いた要因の1つのようだ。

 崔さんは「例えば実写だと、Instagramに1枚アップする写真のために何十枚も撮る場合があるが、アバターなら1枚で済む。化粧や着替えなども必要ない。SNOWは『誰でも簡単に盛れる』ことで流行したが、ZEPETOなら誰でも簡単かつおしゃれに自己表現できる」と語った。

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