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» 2018年12月28日 08時00分 公開

「平成\(^o^)/ネット史というタイトル案もありました」 NHKの正月特番「平成ネット史(仮)」、制作裏話を聞く (2/3)

[片渕陽平,ITmedia]

 “NHKの歴史番組”というと固いイメージもありそうだが、チーフプロデューサーは「『平成ネット史』というと固いじゃないですか、だから(仮)が付いているんですよ」と笑う。

 「『平成\(^o^)/ネット史』というタイトル案もありましたが、ふざけていると思われるのは本意ではないので自粛しました。ただ、\(^o^)/(オワタ)を入れたいくらい大事にしたかったのは、インターネットにはECサイトだったり、いろいろな側面がある中で、1人のユーザーが見てきた平成のネット史をたどる番組にしようと思いがあったからです。『僕らのインターネット史』という案もあったんですよ」

 チーフプロデューサーは「われわれの中で歴史番組というと、明治以前を取り上げるという認識もあります」と続ける。「生きている人がいるうちは、歴史ではなく現実とリンクしている。その方々が全員、この時間の舞台からいなくなって、皆が遠巻きに見るようになって歴史になると思います。だからあくまで(仮)です」

「NHK内でも珍しいくらい」ネットの仕事を手掛けてきた

 “僕らの視点”でネットの歴史をひもとくため、架空の人格を設定した。そのモデルになったのは、チーフプロデューサー(40代)、ディレクター(広末涼子さんと同じ年齢)といった番組スタッフだ。

 チーフプロデューサーは「NHK内でも珍しいくらい」(本人談)ネット関係の仕事を多く手掛けてきたという。

 小学生のときは、パーソナルコンピュータ「PC-8001mkII」(NEC)や「MZ-80」(シャープ)を使っていた。「当時はアルファベットも読めないのに、プログラムリストを打ち込むため、文字の形が同じキーを1個ずつ探しながら押しました」

 1994年に入局。Windows 95が登場する前年だった。「社会人人生の中で、それまでPCが使われていなかった現場にPCが入ってくる場面も見ていました」。2000年ごろからはデジタル教材と呼ばれる教育コンテンツを担当した。動画クリップや、授業に役立つFlashゲームなど、学校教育をサポートする仕事だった。

 「特番をするとき、学校に20台くらいPCを設置して、ケーブルを敷いて、初期設定、ローカルのプロキシサーバを立てるところまで自分でしました。(当時)ディレクターなのに何をやっているんだろうと(笑)。それほどコンピュータに常にかかわってきた人生です」(チーフプロデューサー)

photo ディレクター(広末涼子さんと同じ年齢)。番組公式Twitterの“中の人”でもある

 一方、もう1人のディレクターも「ネット好き」だ。「(当時を振り返ると)言えないことが多すぎます。ネットはアングラな部分もあるじゃないですか」。高校時代、『あめぞう』から『2ちゃんねる』にかけて“世界が広がっていく”ことが楽しくてしようがなかった。

 「話せるものだとVOCALOID、初音ミクが好きです。ひたすらVOCALOID曲が生み出されて、『歌ってみた』『踊ってみた』などの動画も再生数が伸びていく。『マトリョシカ』が流行していた時期、イベントに出掛けてみると、そのコスプレをしている人がたくさんいて。コミックマーケットとも違う、熱量を感じました」

 マスメディアがVOCALOIDを取り扱う機会は少なくなったが、若年層がカラオケでVOCALOID曲を歌うなど「日本人のカルチャーとして定着するのを、外側から見たり聞いたりした人間としても、熱狂した人間としても面白かったです」(ディレクター)。

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