F: この後、襲撃時にSPの脳をのぞき見てウイルスをコピーしていたものの存在、別件の厚労省への大規模ハッキングとその手際の良さ、ハッキングソースへのトグサの潜入捜査から、6年前の犯人と似た人物像のアオイという青年が浮き上がってきます。彼は「青い正義感を振りかざす不器用な青年」で、この事件の裏にある、電脳硬化症にまつわる薬害事件の告発がその犯行動機だったのです。そこから表の企業脅迫事件と、裏の薬害事件、そして裏の裏にある企業恐喝の真相とインサイダー事件が明らかになっていきます。
その過程で「笑い男事件」と呼ばれる一連の事件で「笑い男」と呼ばれるハッカーが、実は一人の人物ではないことが「明確に」なっていきます。これは劇中をつぶさに見ると分かるのですが、犯行のスタイル、ハッキングの手口やスピードとその影響範囲、口調、そういったものに、きちんとその個性が描写されていて驚きます。
Kさんは「笑い男」とは誰だと思いますか?
K: え? アオイ君と、彼が拾った薬害事件に関するレポート付きメールを書いた人物、それからナナオ=Aと、後半でアオイ君に扮する草薙少佐ですよね。
F: たぶん違いますね。これは後にアオイ君が明確にはYESともNOともいわなかったことから、あえて疑義を呈しましょう。劇中には姿を見せませんでしたが、企業脅迫などを行った黒幕がいたことは同意できますか?
K: あ、はい。
F: 彼、いやたぶん「彼ら」が正しいのでしょうが、ここでは仮に彼とします。彼は表舞台にも出てきています。それがもう一人の笑い男です。
K: え? どこにですか?
F: 分からないですよね。
K: じゃあ何でそう思うんですか?
F: ……強いていえば、私のゴーストがそう囁くから。
K: ???
F: それは冗談として、一般的には総監暗殺予告はアオイ君が再び舞台に上がってきたシーンだと考えられていますよね。闇から再び舞台に上がったと。
K: はい。
F: でもね、2つ違和感があります。
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