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ふくおかFGのネット銀行、勘定系システムに「Google Cloud Platform」採用 開発スピード迅速化

» 2019年09月24日 17時00分 公開
[ITmedia]

 福岡銀行などを傘下に持つ金融持ち株会社、ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は9月24日、2020年度中をめどに開業予定のインターネット専業銀行「みんなの銀行」(仮称)の勘定系システムの基盤に、Google Cloud Platform(GCP)を採用すると発表した。開発・運用コストを抑え、外部サービスとの連携をしやすくする狙いがある。

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 勘定系システムの開発では、預金、為替といった個々の金融機能を独立したサービスとして開発し、APIなどで連携して1つのアプリケーションにする「マイクロサービスアーキテクチャ」という手法を採用する方針。GCPはそうしたマイクロサービスの稼働に適していると判断し、導入を決めたという。

 システム開発を担当するふくおかFG傘下のゼロバンク・デザインファクトリー(ZDF)は、「柔軟かつ迅速な商品サービスの開発・提供が可能になる」と説明。「新銀行の金融機能・商品などをAPIを通じて、外部の事業者にサービスとして提供する『BaaS』(Banking as a Service)型ビジネスの実現にも適している」という。

 従来の勘定系システムは、耐障害性などの観点から、メインフレーム上で構築するケースがほとんどだったが、ZDFの広報担当者は「(その場合だと)機能同士が密結合してしまい、新しいサービスを始めようとして1つの機能に変更を加えると、他の機能にも影響が出る可能性があった」と指摘。新システムは、GCP上に構築することで「テクノロジーやニーズが変化しても、対応がしやすい」としている。

 ふくおかFGは8月、みんなの銀行の開設に向け、準備会社を設立。銀行免許の取得を目指している。地方銀行のネット銀行参入は初めて。

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