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AI・IoTで日本のものづくりを革新――オムロンが品川にFA技術の新拠点 関東・アジア圏を開拓へ(2/2 ページ)

» 2020年01月23日 17時58分 公開
[佐野正弘ITmedia]
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ATC-TOKYOの内部。さまざまな設備を用いて、実際の生産現場を再現している

 その中には、AIやIoT、ロボティクスなどの最新技術を取り入れた制御アプリケーションの活用例もみられた。具体的には、搬送中で動いている部品の検品を、AIとカメラを活用してスピーディーに実現するシステムや、従来人間の経験や勘でなされてきたネジの締め具合の目視検査を自動化するシステム、ARグラスを活用して指示を出すことにより、人とロボットが同じ製品をピックアップするフレキシブルなライン――などだ。

AIを活用した検品システム。被写体が回転していても検品できるため、作業の効率化が見込めるという
人間の経験や勘を頼りに行っていたネジの締め具合の検査を自動化するシステム
人とロボットが同じ生産ラインで部品をピックアップしているところ。ロボットは指示通りにピックアップするが、人間にはARグラスを通じて指示を出している

 顧客企業は、その場で気になった技術を検証したり、自社が抱える課題をヒアリングしてもらったりもできる。オムロンは、施設内のあらゆる場所を活用し、半日から1日をかけて顧客と課題解決に向けたコミュニケーションを図っていくという。

さまざまな技術検証をするための機器がそろっている

 また、顧客企業が望む環境に合わせた実証実験を行える施設「POC-TOKYO」を併設。顧客企業が持ち込んだ生産設備とオムロンの制御アプリを組み合わせ、実際の現場環境に近い形で効果検証ができるとしている。

ATC-TOKYOから少し離れた場所にある「POC-TOKYO」。広い設備の中でロボットが奏功しているのが印象的だ

 POC-TOKYOでは、オムロンのロボットを設置している部屋を9室、基板検査装置が利用できる部屋を11室、ロボットを活用できるセミナールームを1室用意し、顧客企業に開放する。顧客企業はこれらをひと部屋単位で利用でき、3日から数週間にわたって共同で検証などを進め、課題解決を図れるという。

POC-TOKYOでは、顧客企業の生産設備を持ち込むことも可能だ
ロボットが用意された部屋は9室ある
基盤検査装置が設置されている部屋は11室ある
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