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潔さが面白い動画デジカメ、ソニー「ZV-E10」 お手軽ミラーレス一眼としても(2/4 ページ)

» 2021年09月25日 09時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 使ってみるとなかなか便利。VLOGCAM 第1弾であるZV-1で採用されたボタンだが、よりセンサーサイズが大きく、ボケのコントロールが大きくでるZV-E10の方が効果的だ。

 このボタンを1回押すと絞り開放になって背景が大きくボケ、もう一度押すとF11にまで絞り込まれてピントの合う範囲が広くなる。撮影モードボタンを押すとデフォルトのフルオートに戻る。静止画でも動画でも使えるので、絞りを開きたい、あるいは絞り込みたいときに撮影モードを変えなくていいってのは楽だ。

ボタンを押すと背景のボケが「ぼけ」になり、絞り開放になる。もう一度押すと「くっきり」になって絞り込まれる

 分かりやすいよう、35mm F1.8のレンズを付けて撮り比べてみた。

35m F1.8のOSS(手ブレ補正搭載)レンズ。コンパクトでZV-E10でボケを楽しむにはすごくいい

 オートだとF4.0で撮影されるが、このボタンを押すとF1.8になって背景が大きくボケる。

35mm F1.8 OSS(SEL35F18)で「背景ボケ」を「ぼけ」にしておまかせオートで撮影。絞り開放になって背景がきれいにボケた(35mm 1/1250秒 F1.8 ISO100)

 もう一度押すとF11に絞り込まれて背景がくっきりする。

同じレンズで「背景ボケ」を「くっきり」にしておまかせオートで撮影。F11まで絞り込まれて背景がくっきりと(35mm 1/160秒 F11 ISO500)

 絞り優先にして自分で絞り値をコントロールできることを全く知らない人でもボタン1つで表現できるのだ。

 おそらくはスマホで動画を撮っている人が大きなターゲットユーザーであり、背景をさっとぼかせるのは大きなアドバンテージになるし、ZV-1より明らかに背景を大きくぼかせるので差別化にもなる。実際に使ってみて、めちゃ楽だったし。

 もう1つVlog用で面白いのが、これもZV-1で採用された「商品レビュー機能」ボタン。

 「おまかせオート」で撮るときは基本的に「リアルタイム瞳AF」がオンになる。だから常に顔にフォーカスが合いつづける。だから手に持ったものを大きく見せたいときもフォーカスが顔にいっちゃってよくない(YouTubeを見てるとよくそういうシーンにでくわす)。

 でも商品レビュー用設定をオンにすると、顔検出がオフになり、レンズに近い被写体に優先してフォーカスがくるのだ。

 動画でチェックしてみた。商品レビューオフとオン。

商品レビュー用設定のオフとオンで撮り比べた

 「商品レビュー機能」と呼んでいるけれども、顔優先AFか近距離優先AFかをボタン1つで切り替えられると思えば幅広く実用的に使えるかと思う。不要ならそのボタンに他の機能を割り当てれば良い。

 なお動画撮影時は付属のウインドストッパーを付けるべし。これがあるのとないのとでは音が全然違う。

動画撮影時の画面。撮影中は赤い枠が出て教えてくれる

 ボディの中央部分に3つのマイクがあり、それをアクセサリシューを利用して装着するウインドストッパーが覆う形になる。

上から見ると、中央部にマイクが付いているのが分かる。ここにウインドストッパーが付くのだ。それだけでかなり違う

 ZV-E10はVLOGCAMというくらいであるから、EVFは省かれ、背面モニターもチルト式ではなくバリアングル式を採用した。

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