連載
» 2014年07月03日 15時00分 UPDATE

動き出す電力システム改革(12):電力会社からの契約変更を促進、「スイッチング支援システム」が2016年に稼働 (1/2)

法律を改正して小売を自由化しても、電力会社からの契約変更が面倒では新規の顧客は増えていかない。2015年度から業務を開始する「広域的運営推進機関」では契約変更を促進するための「スイッチング支援システム」を開発して、自由化が始まる2016年4月から小売事業者に提供する予定だ。

[石田雅也,スマートジャパン]

第11回:「小売の全面自由化は2016年4月に実施可能、運営機関の準備が進む」

 2016年に小売が全面自由化されると、電力会社以外の事業者が全国で8000万を超える家庭や商店などに電力を販売できるようになる。その時に重要な役割を果たすのが「スイッチング支援システム」である。

 家庭や商店などの消費者(電力業界では「需要家」と呼ぶ)が、電力会社から別の小売事業者へ契約を切り替えたいとする。小売事業者は需要家からの申し込みを受けると、スイッチング支援システムを使って電力使用状況の情報を入手したうえで、契約を切り替えるスイッチングの手続きをシステムで完了できるようになる(図1)。

switch3_sj.jpg 図1 「スイッチング支援システム」の役割。出典:広域的運営推進機関設立準備組合

 このスイッチング支援システムは電力システム改革の第1段階で設立する「広域的運営推進機関」が開発して運用することになっている。電力会社の送配電事業部門(一般送配電事業者)のシステムとも連携して、小売事業者に必要な顧客情報や設備情報を提供する仕組みだ。

 実際のスイッチング処理の流れは次のようになる(図2)。まず小売事業者は需要家から申し込みを受け付けた時点で、送配電事業者が保有する需要家の情報をスイッチング支援システムから取得する。続いて需要家のところまで電力を送り届けるための「託送供給」の変更を送配電事業者に依頼する。

switch1_sj.jpg 図2 スイッチング手続きの流れ(画像をクリックすると拡大)。出典:広域的運営推進機関設立準備組合

 これと並行して需要家が電力会社など従来の小売事業者に契約解除を申し込むと、その小売事業者からも送配電事業者に対して託送供給の変更連絡が送られる。一連の手続きをスイッチング支援システムが一元的に処理することによって、どの小売事業者と送配電事業者の組み合わせでも、同じように円滑にスイッチングの手続きを完了できるようにするのが狙いだ。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.