競争激化で東京ガスが電気料金を値下げ、東京電力・ソフトバンク連合に対抗電気料金の新プラン検証シリーズ(16)(1/2 ページ)

昨年末に先陣を切って電気料金を発表した東京ガスが早くも値下げを実施した。東京電力よりも高く設定していた基本料金を同額に合わせたほか、使用量で加算する電力量料金も引き下げる。戸建て3人家族のモデルケースでセット割引を適用すると東京電力+ソフトバンクよりも安くなる。

» 2016年02月03日 07時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

連載:「電気料金の新プラン検証シリーズ

 東京ガスは昨年12月24日に発表した「ずっとも電気」の料金を2月1日付で改定した。3種類の料金プランのうち、一般の家庭を対象にした「ずっとも電気1」と電力の使用量が多い家庭や商店を対象にした「ずっとも電気2」の単価を引き下げたほか、使用量に応じてポイントを付与するプログラムも新たに加えた。

 最も多くの利用者を見込む「ずっとも電気1」の料金プランでは、月額固定の基本料金と使用量で課金する電力量料金の両方を引き下げた。基本料金は東京電力の標準プランである「従量電灯B」よりも高く設定していたが、同じ金額に変更した。電力量料金は月間の使用量が140kWh(キロワット時)を超えた場合に適用する第2段階と350kWh超の第3段階の単価を改定した(図1)。

図1 「ずっとも電気1」(上、東京電力の従量電灯B相当)と「ずっとも電気2」(下、同従量電灯C相当)の料金改定。出典:東京ガス

 東京電力の従量電灯Bと比べると、もともと120kWhまでの第1段階の単価は東京ガスのほうが4円近く高いため、使用量が少ない家庭では「ずっとも電気1」のメリットは感じられない(図2)。「ずっとも電気1」が従量電灯Bよりも割安になるのは、新料金でも300kWhを少し超えたあたりからである。

図2 東京電力の「従量電灯B・C」の料金体系。出典:東京電力

 その代わりに使用量が350kWhを超えてから適用する第3段階の値下げ幅を拡大した。旧料金が従量電灯Bと比べて0.81円しか安くなかったのに対して、新料金では4円ぴったり安く設定した。使用量が増えるほど割引額が大きくなっていく料金プランだ。

 一方で本来は使用量が多い家庭や商店を対象にしていた「ずっとも電気2」は360kWh以下の単価が「ずっとも電気1」よりも安くなった半面、360kWh超では高くなって料金が逆転してしまった。すでに契約を申し込んだ利用者のうち、2つのプランをスイッチしたほうが得になるケースが出てくる。

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