ロボットの修理を通じ、現場で感じた課題もある。CS部門の担当者は、メーカーのソフトウェアアップデートで問題が生じるケースがあると話す。BellaBotは、1年に1回程度、大きなアップデートがある。一方で、DFA Roboticsが多くの台数を抱えていることもあり、メーカー側が検証しきれていない部分で「何千台という規模でエラーが起きる」ことも。その際には、メーカーに地道に聞くことで解決する。
また「今の世に出ているロボットは環境の変化に弱い」という点も課題だ。例えば、BellaBotでは事前にセットしたマップをもとに移動するが、「ちょっとテーブルを移動し、レイアウトを変えた瞬間にロボットが動かなくなる」(CS部門担当者)。レイアウトの変更に合わせ、マップデータを修正して対応しているものの、そのたびに導入店舗のオペレーションが止まる。この点については「メーカーに期待する部分が大きい」と語った。
他方、CS部門の担当者は、ロボットの今後について「他のものとの掛け合わせで活躍の場を広げていく」方針に期待を寄せる。
DFA Roboticsでは、飲食店の配膳ロボと、座席に配置するタブレットを連携させる取り組みをしている。これにより、個室のある飲食店でも、ロボットの到着をタブレットで表示して知らせることなどができる。また、病院やホテルでは、配膳ロボとエレベーターシステムの連携により、フロアを跨ぐ移動を可能にした。
他にも、他社事例としては、清掃ロボットとビルのセキュリティシステムを連動させ、夜間に動かす事例も出てきているという。
もちろん、さまざまなシステムと連携することで生じる問題もある。例えば、以前クラウドサービスの大規模障害が起きた際には、連携しているエレベーター側のシステム障害により、ロボットの稼働が停止したケースもあるとのことだ。
こうした問題にも素早く対応するため、DFA Roboticsでは今後、ロボットそのものの知見に加え、その他のシステムとの連動に関する知見もためていきたい考えだ。
【訂正履歴:2025年7月8日午後5時】記事掲載当初、記事内2枚目の写真について「『BellaBot』を修理する様子」とキャプションに記載していましたが、正しくは「清掃ロボ『PUDUCC1』を修理する様子」でした。訂正いたします。
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