東京大学医学系研究科は7月9日、腰のX線画像から、腰と足のつけ根の骨の強さを同時にAIで推定し、骨粗鬆症を早期発見する診断補助システムを開発したと発表した。骨粗鬆症専用の検査機器不要で、日常診療のX線撮影装置で骨密度を測定できる。
骨粗鬆症は、骨折するまで気づきにくく、検査機器の普及率も低いことが課題だった。新技術は整形外科の外来で腰痛などの診察時に頻繁に撮影される腰のX線画像を活用することで、既存の装置をそのまま利用でき、患者の追加負担もないのが特徴だ。
AIが、X線画像に写っている腰だけでなく、写っていない足のつけ根の骨の状態まで高い精度で推定。骨粗鬆症の診断に必要な骨密度を測定する。
研究グループはさらに、健康診断で撮影される胸部X線画像や、整形外科で撮影されることの多い膝や頸椎(首)などを対象としたAI技術も開発中。全身のX線画像を活用し、多角的な骨の健康評価の可能性が広がっているという。
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