米OpenAIは10月23日(現地時間)、Business、Enterprise、Educationプラン向け新機能「company knowledge」を発表した。アプリを切り替えずに組織内のSlackやGoogleドライブなどに分散する情報を横断検索し、回答を生成する機能だ。
社内の様々なツールに分散している業務の関連情報(ドキュメント、ファイル、メッセージなど)をChatGPTに集約し、業務固有の回答を提供することで、意思決定やタスク実行を支援する。ChatGPTがアクセスできる情報は、各ユーザーが既存のアクセス許可設定に基づいて閲覧を許可されているデータのみで、プライバシーが尊重される。
company knowledge機能は、複数の情報源を横断的に調査するように訓練されたバージョンのGPT-5によって駆動されており、その基盤として6月に発表した「connectors」機能と連携している。connectorsは、ChatGPTがGoogleドライブやGitHub、SharePointといったサードパーティのアプリに接続し、ファイル検索やライブデータの取得を可能にする仕組みだ。
company knowledgeの利用例として、OpenAIはクライアントとの会議のブリーフィング作成を紹介した。ChatGPTは、Slackのメッセージ、クライアントからのメール詳細、Googleドキュメントの通話メモ、Intercomのサポート情報などから得た情報に基づいた総合的なブリーフィングを瞬時に作成できるとしている。ChatGPTが参照した情報源はリンクから確認できる。
また例えば、「企業目標はどこに着地したか?」といった曖昧な質問に対して、異なる情報源や視点で複数の検索を実行することで議論された内容を要約し、矛盾する詳細を解決したり、異なる見解を強調したりするなど、より総合的でバランスの取れた回答を提供することが可能という。
社内データの取り扱いについては、ChatGPT Business、Enterprise、Eduプランの利用データに関して、OpenAIはデフォルトでユーザーのデータをモデルのトレーニングに使用することはないと強調した。データは業界標準の暗号化によって保護され、組織の管理下に置かれるとしている。
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