いわゆる定番ベンチマークテストだけでなく、TOMBRAIDER6やFarCryといったグラフィックス描画がボトルネックになりやすい3Dゲームにおいても、ここまで高スコアを出せたとは驚きだ。
TOMBRAIDER6では、シーンをテクスチャにレンダリングしたものをポストプロセスする処理系が多いため、レンダリングパイプラインのスループットもさることながら、ビデオメモリへの読み書き(テクセルの読み出しと書き込み)性能もパフォーマンスに影響してくる。GeForce 6800 Ultraはテクセル処理に使えるL1キャッシュとL2キャッシュを持っているので、局所的なマルチサンプルやテクセル処理が非常に高速に行えるアーキテクチャとなっている。TOMBRAIDER6テストにおける好成績はこのことが多大に影響していると思われる。
ちなみに、ポストプロセスが大量に発生する最近のPC版3Dゲームとしてはほかに「DeusEx:Invisible War」が挙げられる。残念ながらベンチマークテストモードはないので、試しにフレームレート表示ユーティリティを用いてテストしてみたところ、GeForce FX 5950 Ultraでは20fps以下を低迷して息切れ寸前。ところが、GeForce 6800 Ultraでは軽々と30〜60fpsをキープしてくれる。
定番ベンチマークだけではなく、実際の3Dゲームにおいて、ここまでパフォーマンスアップを体感できるのは頼もしい限りだ(裏を返せば、GeForceFX系の出来が芳しくなかったことになるわけだが)。
ここ最近は、ハードウェアシャドウマッピング機能以外に3Dゲーム用GPUとしての魅力を欠いていたGeForceシリーズにとって、まさに救世主的な存在といえるGeForce 6800 Ultra。GeForceファンはもちろん、3Dゲームファンにとっても「ようやく登場した待ち望んだ本命」といった感じではないだろうか。
最後に、フレームレート命のハードコア3Dゲーマーやベンチマーカーのためのミニ情報を紹介しておこう。
GeForce 6800 Ultraには、隠れ機能として動的オーバークロック機能が搭載されている。この機能を有効にするには、
(1)スタートメニューの「ファイル名を指定して実行」から「regedit」を入力、[OK]ボタンを押して、レジストリエディタを起動する。
(2)以下のレジストリキーを開く
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\NVIDIA Corporation\Global\NVTweak]
(3)[NVTweak]にマウスカーソルを当てて右クリックでメニューを出す。メニューの[新規]→[DWORD値]を選択して新しいレジストリキー「Coolbits」を作成する。
(4)Coolbitsの値を16進数で「ffffffff」(fが8個)を設定する。
としてから、「画面のプロパティ」からFORCE WAREを開けばよい。
上記の設定をすると、それまで隠されていた「クロック周波数」オプションが出現する。ここで「自動オーバークロック」を選べば、以降、GeForce 6800 Ultraをある程度動的なオーバークロック駆動で動作させてくれる。
ちなみに自動オーバークロックを有効にした状態で、3DMark03を8時間通してループ動作させてみたが、とくに問題なし。パフォーマンス向上の幅は微少だが、動作的に常用できるレベルだと思われる。
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