日本でも4月16日に正式発表されたGeForce 6800シリーズ(以下、GeForce6)。そのスペックはすでに報道されたとおりでほぼ間違いはない。ここ1年半指摘されつづけてきた「Direct X 9環境下における浮動小数点実数(FP)テクスチャとレンダーターゲットの未サポート問題」もGeForce6ではついに解決を見た。
というものの、一部謎を残している。
米国でおこなわれたGeForce6の発表会では、「GeForce 6800 ROP Subsystem」と題されたスライドが示され、64ビットのFPフレームバッファサポートと、直接表示の仕組みが紹介されたのだが、FPフレームバッファを表示が具体的にどのようにして行われるのかが、製品発表後も依然として「謎のまま」となっている。
もし、このスライドの記載が事実だとすれば、GeForce6では、FPフレームバッファに対してHDR(ハイダイナミックレンジ)レンダリングの結果は、露出レンジを設定してから直接表示する仕組みになる。白飛びしている部分に対してグレア効果やブルーム効果をさらにポストプロセスで付加するならともかく、HDRレンダリングをしてそのまま表示するだけであれば、ピクセルシェーダでトーンマッピングを行う必要がなくなるわけで、これはこれで有用になる。
また、FPフレームバッファ上に記録されたHDRレンダリング結果の2D画像を読み込んで、画像表示のときにリアルタイムで露出を変えられる、といったことも可能になりそうだ。
ただし、この仕組みの実現にはFPフレームバッファをディスプレイ出力する仕組み、いうなればFP-RAMDACのようなものが必要になるわけだが、この存在がまだ確認できていないのだ。これについては現在調査中で、FPテクスチャ/レンダーターゲットの話題とあわせて別の機会に紹介したい。
ということで、今回は、主にベンチマークテストの実行結果を見ながらGeForce 6800 Ultraの実力を確認していきたいと思う。
既に海外サイトなどの各メディアでも報じられているが、まずは定番ベンチマークテストの結果から見ていきたいと思う。
テスト環境およびビデオカードの基本スペックは次のとおりになっている。
CPU | Pentium 4/3.20GHz(FSB800MHz/L2=512KB) |
M/B | Aopen AX4SPE MaxII (Intel 865PE) |
メモリ | DDR400 256MB×2ch |
カード製造元 | ドライバ | コアクロック | メモリクロック | 頂点シェーダ数 | パイプライン | |
GeForceFX5950Ultra | NVIDIAリファレンスデザインカード | ForceWare Ver.60.72(3DMark03のみ56.72) | 475MHz | 950MHz | 未公開 | (仮想)8 |
GeForceFX6800Ultra | NVIDIAリファレンスデザインカード | ForceWare Ver.60.72 | 400MHz | 1100MHz | 6 | 16 |
RADEON9800XT | ATIリファレンスデザインカード | Catalyst4.4 | 412MHz | 730MHz | 4 | 8 |
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