あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック!

» 2023年10月20日 06時00分 公開
[井上翔,ITmedia]

 私事だが、8月にレノボ・ジャパンのノートPC「ThinkPad X13 Gen 3」のマザーボード交換を行った。

 このThinkPadには「Windows 11 Pro」がプリインストールされている。多くのメーカー製Windows PCでは、OSのライセンスはマザーボードのUEFI(BIOS)に保管されている。ThinkPadも例外ではない。

 ……と、ここでふと思った。マザーボードを交換した場合、ライセンス認証(アクティベーション)をやり直す必要はないのだろうか、と。そこで、自分のPCにインストールされたWindowsのライセンスがどうなっているか、確認してみようと思う。

ThinkPad X13 Gen 3 マザーボードを交換したThinkPad X13 Gen 3のWindowsライセンスはどうなっている……?

Windowsのライセンスにはどんなものがある?

 パッと見では分からないかもしれないが、Windowsには複数のライセンス(利用許諾)形態がある。具体的には、以下の形態が用意されている。

  • フルパッケージ(FPP)ライセンス:OSを“単体で”購入したもの
    • ライセンスは購入者に付与
    • いわゆる「パッケージ版」や「デジタルライセンス版」(※1)が当てはまる
    • 「リテール(Retail)ライセンス」とも呼ばれる
  • OEMライセンス:PCメーカーや販売代理店を通して供給される
    • ライセンスはハードウェアに付与
    • 細かく分けると「DSP版」(※2)と「OA3版」(後述)の2種類がある
  • ボリュームライセンス(VL):法人に付与(販売)される
    • その名の通り、法人がOSのライセンスを複数個用意する際に使われる
    • ライセンスは法人に付与される(個人ユーザーは利用できない)
    • EnterpriseエディションはVL限定となる

(※1)Microsoft Storeを含む一部のECサイトで販売されている、パッケージを伴わないFPPライセンス(インストールメディアはWebからイメージをダウンロードして入手:参考記事)
(※2)PCパーツ等と同時に購入する場合に限り購入できる(ライセンスは、セット購入したハードウェアに付与される

 Windowsのライセンスを有効化するには「プロダクトキー」が必要となる。プロダクトキーは25文字からなり、パッケージ版であれば「プロダクトキーラベル」に、DSP版であれば「COA(Certificates of Authenticity:出所に関する証明書)ラベル」に記載されている。

 一方、完成品のWindows PCには、原則として「OA3(OEM Activation 3.0)版」のライセンスが付与されている。OA3はPCメーカーがライセンスを調達する際に使われる仕組みで、プロダクトキーはUEFI(BIOS)に書き込まれている。そのため、Windows 7までのOEMライセンスとは異なり、PC本体にはCOAラベルが貼り付けられていない。

 自分のPCにOA3のライセンスが書き込まれているかどうかは、UEFIセットアップの画面で確認できる(確認方法は、手持ちのPCメーカーの取扱説明書やサポートサイトを参照してほしい)。

ライセンス Windows 8以降をプリインストールするメーカー製Windows PCの多くには、OA3版ライセンスが付与されている。この場合、本体にはCOAラベルが貼り付けられないが、ProエディションのOSがプリインストールされている場合は「GML(Genuine Microsoft Label)」の貼付が原則必須となる
OA3 UEFIにWindowsのライセンスが書き込まれている場合は、UEFIセットアップのどこかに「OA3 ID」の記載、あるいはエディションに関する表記がある

自分のWindowsのライセンス種別を確かめる方法

 OA3 IDを見る限り、筆者のThinkPad X13 Gen 3は交換後のマザーボードにもWindowsのライセンスが書き込まれている。この場合、Windows 10/11 Proをクリーンインストール時にプロダクトキーの入力を省略できることがある(※3)。

(※3)プロダクトキーを求められた場合は、入力画面で「プロダクトキーがありません」をクリックし、インストールする(=UEFIに書き込まれているプロダクトキーと同じ)エディションを選択してセットアップを続行する。セットアップの完了後、インターネットに接続して「ライセンス認証」を実行すると、ライセンスが有効化される(プロダクトキーとエディションが一致しない場合は、再インストールが必要)

 自分のPCで稼働しているWindowsのライセンス種別は、以下の手順で調べることが可能だ(本来はOEMパートナー向けのツールで調べることが推奨されているが、ここではそれが不要な方法を紹介する)。

  1. コマンドプロンプトを開く
  2. 「slmgr /dli」と入力してEnterキーを押す
  3. 出てきたダイアログボックスの内容を確認する

 マザーボード交換後のThinkPad X13 Gen 3で上記を試したところ、以下のようなダイアログが表示された。

  • 名前:Windows(R), Professional edition
  • 説明:Windows(R) Operating System, OEM_DM channel
  • プロダクト キーの一部:XXXXX
  • ライセンスの状態:通知
  • 通知の理由:0xC004F200 (非正規)

 何と、ライセンスの状態が「非正規(Non-Genuine)」になってしまっている。恐らく、マザーボードの交換に伴いOA3 IDが元の(=故障した)マザーボードから変わってしまったことが原因だと思われる。

あれれ? マザーボード交換後のThinkPad X13 Gen 3のライセンス情報を調べてみたところ、非正規状態になってしまっている

 しかし、本当に“非正規”判定なのであれば、画面の右下に「Windowsのライセンス認証(Activate Windows)」というウォーターマーク表示が出るはずである。しかし、待てど暮らせど出てこない。

 そこで設定画面でライセンス認証の状況を確認したところ、「Windows は、Microsoft アカウントにリンクされたデジタル ライセンスによってライセンス認証されています」と表示されていた。どうやら、マザーボード(≒OA3 ID)は変更されたものの、ハードウェア構成には全く変更がないため、そのまま使えているようである。

 少し気になる所であるが、次の再セットアップのタイミングまではそのまま使おうと思う。

ライセンス認証 ライセンス認証はきちんと「アクティブ」判定(=有効)となっている。ライセンス確認コマンドとは異なる結果だが、システム的にはこちらが「正」なので、堂々と使えばいいのである

おまけ:極端に安い「プリインストールPC」と「ライセンス」に注意!

 この記事を執筆したもう1つの動機として、最近ECサイトでよく見かける「Proライセンスをプリインストールした激安新品PC」や「激安のOSライセンス」の存在もある。

 PCにWindowsを添付(=プリインストール)する場合は、FPPライセンスかOEMライセンスを使わなければならない。しかし、SNSをよく探してみると、ECサイトで販売されているPCのWindowsがVLのプロダクトキーで有効化されていたという報告が見受けられる。また、激安ライセンスのプロダクトキーを調べたら、VLだったというケースもある。

 先述の通り、VLライセンスは法人に付与される。そのため、当該法人で使うPC以外にはインストールしてはいけない。当然、誰かに売る“商品”として使うことはできない。ECサイトで極端に安いWindows PCやライセンスを見つけた場合は、面倒でもパッケージ版(あるいはMicrosoft公認のデジタルライセンス版)、あるいは正規のOEM版を使っているのか調べてから購入したい。

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