PCが故障した際、皆さんはどのように対応しているだろうか? メーカー製PCであれば、購入した店舗に持ち込んだり、メーカーが指定する修理拠点に送付したりして修理を頼む、ということが多いだろう。
しかし、代替機がない場合、修理に出している間はPCを使えなくなってしまう。手持ちのスマホやタブレットでメールは確認できたとしても、PCが必要な作業や娯楽は楽しめない。「それでは困る!」という人もいるはずだ。
そこで注目したいサービスが「訪問(オンサイト)修理」である。PCを使い初めて約30年経過した筆者はある日、訪問修理サービスを生まれて初めて利用した。その時の体験談を簡単にまとめたい。
その名の通り、訪問修理は技術スタッフがPCの設置先(≒事務所や自宅)までやってきて、その場で故障したPCの修理をしてくれるサービスだ。多くの場合、訪問修理は法人向けの有償オプションサービスとされているが、一部メーカーでは、このオプションを個人でも利用できる場合がある。
例えば富士通クライアントコンピューティング(FCCL)では、電話で修理を依頼する際に希望すれば、個人でも有償で出張修理を行ってくれる(※1)。出張費は出向く場所の住所によって変わるので注意が必要だ。
(※1)修理代金は別途(要見積もり)。本体保証の範囲内の修理については、出張費のみ必要(修理代金相当は無料)
また、レノボ・ジャパンの場合はビジネス向けモデル(ThinkPadなど)における有償の「拡張保守」メニューの1つとして、「オンサイト修理」が用意されている。直販サイトで本体と同時に割引価格で購入できる他、本体購入から一定期間内であればサポートサイトからの追加購入も可能だ。
なお、オンサイト修理は他の拡張保守サービスと併用可能なので、「アクシデント・ダメージ・プロテクション」と合わせて加入すると、保証対象外の故障(※2)でも訪問修理を受けられる。
(※2)アクシデント・ダメージ・プロテクションはバッテリーに関する故障/不具合には適用されない(一部モデルでは別の拡張保守メニューとして「内蔵バッテリー交換サービス」が用意されている)
筆者が愛用しているレノボ・ジャパンのノートPC「ThinkPad X13 Gen 3」は、同社の直販サイトで購入したカスタマイズ(CTO)モデルで、2022年8月に購入した。型番は「21BNCT01WW」である。
同社のPCに詳しい人なら分かると思うが、CTOモデルのスペックは原則として型番だけでは特定できない。製造番号と合わせて照会すると、初めてスペック(と加入している保守サービスの内容)が把握できる。ひとまず、筆者のカスタマイズモデルの主な仕様は以下のようになっている。
(※3)購入直後にウエスタン・デジタル「WD_BLACK SN770」に換装済み
見れば分かる通り、購入時はオンサイト修理サービスを付帯していなかった。しかし、サポートサイトで「オンサイト修理、いかがですか?」とずっと出ていたので、購入1周年を迎える直前の2023年7月に追加購入した。税込み7015円で、保守期間の残り(37カ月間)において訪問修理を受けられるなら、という判断だ。
このThinkPad X13 Gen 3なのだが、オンサイト修理サービスを購入した後くらいに、ちょっと(どころではなく結構)気になる問題が発生した。Thunderbolt 4(USB4)端子の挙動がおかしくなったのだ。具体的には、2基の端子で以下の問題が発生するようになった。
不調の心当たりとしては、とあるメーカーのUSB Type-C接続のハブをつないだことくらいしかない。今まで一度も使ったことのなかったものだったのだが、SDメモリーカードの読み出しとDisplayPortでの映像出力をするためにその時初めて使った。USB PD(Power Delivery)のパススルー給電にも対応しているので、ACアダプターをつないでから当該のハブを接続したのだが、いつもは聞こえないはずのノイズ音がハッキリ聞き取れた。この時点で「おかしい」と気付くべきだった……。
このモデルは、本体への給電をUSB PD規格でまかなっている。Thunderbolt 4端子が両方とも“死んで”しまったら、充電ができずに詰んでしまう。早いうちに手を打たなければならない。
そこで修理を依頼することにしたのである。
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