ノートPCの「内蔵バッテリー」は交換できる? 各PCメーカーに聞いてみた【2023年版】(1/3 ページ)

» 2023年07月26日 12時00分 公開
[齊藤倫也, 井上翔ITmedia]

 ノートPCは少しでも長く使いたいと考える人は少なくないはずです。他のパーツと比較すると、ノートPCの駆動用バッテリー(充電池)は寿命が短い傾向にあります。一般的に、ノートPCのバッテリーと本体(=バッテリー以外)の保証は“別”に設定されており、「本体は2年保証だがバッテリーは1年保証」ということもよくあります。他のパーツは問題なくとも、バッテリーだけは早々とダメになってしまい、外部からの電源供給が欠かせなくなってしまった――そんな状態になってしまうことも珍しくありません。

 このことを違う視点から見ると、バッテリーを交換することで1台のノートPCをより長く使えるということになります。とはいえ、最近は薄型/軽量化と大容量化を両立する観点から、最近はユーザーが自らバッテリーを交換できない設計のモデルがほとんどdynabookの新モデルのように、「バッテリー交換可能」ということが大きなニュースになるレベルです。

 では、そのようなノートPCのバッテリーを交換するにはどうすればいいのでしょうか。主要なメーカー別にチェックしてみましょう。なお、価格は全て税込みです。

各メーカー共通の注意点

 修理センターなどに送付してバッテリー交換を行う場合は、以下の点に注意しましょう。

  • 念のため重要なデータをバックアップしてから送って下さい
  • UEFI/BIOSにパスワードロックを掛けてある場合は解除してから送って下さい
  • OSにログインパスワードを設定している場合は解除してから送るか、修理用にゲストアカウントなどを作ってから送ってください
  • バッテリー交換は、本体保証期間であっても有償修理扱いとなります。引き取り修理の場合、本体発送時以降にキャンセルをすると「キャンセル料」や「診断料」(メーカーによっては「返送送料」も)が請求されますので注意してください
  • 修理代金の支払い方法はメーカーによって異なります。多くは返送時の現金着払いとなりますが、具体的な支払い方法はメーカーのサポート(修理窓口)にお尋ねください

バッテリー 内蔵バッテリーがへたってきたらどうする?

レノボ・ジャパン(ThinkPad/ThinkBook/IdeaPadなど)

 レノボ・ジャパンのノートPCでは、有償修理メニューの1つとして「バッテリー交換」を用意しています。代金は「送料」「部品代(バッテリーの代金)」「作業費(工賃)」の合算で、以下の通りです。

  • 送料:一律3410円(※1)
  • 作業費:一律1万8920円
  • 部品代:6930円〜(コンシューマー向け)または1万1500円〜(ビジネス向け)

(※1)依頼主が自分で発送を手配(送付時の送料を負担)した場合は1760円

 なお、ビジネス向け製品(ThinkPad/ThinkBook)については、「内蔵バッテリー交換」というパッケージプランもあります。このプランは送料、部品代、作業費が“全て”込みで以下の料金となります。

  • 交換するバッテリーが1個の場合:一律2万5080円
  • 交換するバッテリーが2個の場合:一律2万7500円(※2)

 ビジネス向け製品の場合、バッテリーの交換“だけ”を行う場合はこのプランで、本体の他の箇所も合わせて修理する場合は通常メニューで修理を依頼すると余計な費用がかかりません。

(※2)バッテリーを2個搭載するモデルで、2個を同時交換する場合の料金(1個のみ交換する場合は「1個の場合」の料金を適用)

 いずれの場合も、Webまたは電話で「レノボスマートセンター」にバッテリー交換(修理)を依頼してください。依頼後、本体はレノボが手配する宅配便か、自分で手配した宅配便でレノボが指定する住所に送付してください。

 交換にかかる日数は5〜7営業日程度ですが、バッテリーの在庫がない場合はより長くなることもあります。

レノボ・ジャパン レノボ・ジャパンの場合、内蔵バッテリーの交換は原則として有償修理として扱われます。代金は「作業費」「送料」「部品(バッテリー)代」の合算となります
レノボ・ジャパン ビジネス向け製品では、各種代金をパッケージにした「内蔵バッテリー交換」というメニューもあります。バッテリー交換“だけ”を行う場合は、こちらを選択した方がお得になります

最長3年間のバッテリー交換保証もあり

 ビジネス向け製品と一部のコンシューマー向け製品(IdeaPad)では、拡張保守サービスとして「内蔵バッテリー交換サービス」を用意しています。このサービスに加入すると、内蔵バッテリー(※3)の保証期間を1年から2〜3年に延長した上で、保証期間中に1回のみバッテリーの無料交換サービスを受けられます。代金は契約期間と機種/構成によって異なるので、自分が使っている機種のサポートサイトを参照してください。

 バッテリーの無料交換は、原則として引き取り対応となりますが、「オンサイト修理」の拡張保守サービスを合わせて契約している場合は、この無料交換もオンサイト(訪問)修理の対象となります。

(※3)レノボのノートPCの内蔵バッテリーは保証期間が1年となっています(本体保証には含まれていません

交換保証 「内蔵バッテリー交換サービス」を契約すると、内蔵バッテリーの保証期間を延長できる他、期間内に1回に限りバッテリーの無償交換を受けられます

NECパーソナルコンピュータ(LAVIE/VersaPro)

 NECパーソナルコンピュータ(NECPC)のノートPCは、「バッテリ交換サービス」を利用することで内蔵バッテリーを交換できます。交換費用は、送料込みで一律2万9480円です。ただし、内蔵バッテリーを2個搭載しているモデルで、2個同時に交換する場合は4万6860円となります。

 交換を希望する場合は、モデルに応じて以下の方法で申し込んでください。

 依頼後、本体はNECPCが手配した宅配便で送付してください。バッテリーモジュールの不具合の有無をチェックする観点から、送付時は普段使っているACアダプター(とACケーブル)も一緒に送付してください。交換にかかる日数は5〜7営業日程度ですが、バッテリーの在庫がない場合はより長くなることもあります。

 なお、バッテリーの交換については本体の拡張保証サービスの対象外となります。注意してください。

バッテリ交換サービス NECPCのノートPCは、バッテリ交換サービスを使って内蔵バッテリーを交換できます。代金は全モデルで一律ですが、LAVIE(コンシューマーモデル)とVersaPro(ビジネスモデル)で申し込み方法が異なるので気を付けてください

交換権を事前予約すると手頃に!

 NECPCでは、NEC Direct(直販サイト)でカスタマイズモデル(一部)を購入する際に、代金の前払いをすることで代金を割り引く予約交換サービスも用意しています。

 このサービスは本体購入から30日以内の登録が必要で、購入から2年7カ月以降4年目以内に交換を受けられます。時期によってはキャンペーンで代金がさらに安くなることもあるので、チェックしてみてください。

直販サイト NEC Directでカスタマイズモデル(一部)を購入する場合、バッテリ交換サービスの事前予約(=代金の前払い)をセットにできます。通常に申し込む場合よりも費用は安くなるので、新規購入時に検討してみてください

富士通クライアントコンピューティング(LIFEBOOK)

 富士通クライアントコンピューティング(FCCL)のノートPCは、「バッテリ交換サービス」を利用することで内蔵バッテリーを交換できます。交換費用は、送料込みで一律2万8160円です。ただし、同社のWeb会員サービス「My Cloud」において「あんしんスタンダード」(月額1016円)または「安心ワイド」(月額2017円)に加入している場合は、代金が2万2528円に割り引かれます。

 交換を希望する場合は、「メモリ・バッテリ交換サービス問い合わせ窓口」に電話をするか、専用のWebサイトから申し込みます。Webサイトから申し込む場合は、My Cloudのアカウントでのログインが必要です。

 依頼後、本体はFCCLが手配した宅配便で送付してください。送付するものは本体だけで構いません。交換にかかる日数は7〜10日程度ですが、バッテリーの在庫がない場合はより長くなるか、自動的にキャンセルとなる場合があります。

 なお、バッテリーの交換については本体の拡張保証サービスの対象外となります。注意してください。

費用 FCCLのノートPCは、バッテリー交換費用が一律となります
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