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コラム
» 2007年06月07日 17時20分 UPDATE

Twitter人気とプライバシー対策の必要性は別問題

Twitterで自分の日常生活について世界中の人たちに発信しているからといって、プライバシーに無頓着だということではない。

[Jim Rapoza,eWEEK]
eWEEK

 すごく長いポッドキャストファイルの編集を完了。休憩しなきゃ。(17時間前)

 車でバンドの練習に。ミニットメンの「Tour spiel!」を聴きながら。(14時間前)

 コラムを書かなきゃ。でも、何について書こう? あっ、そうだ!(20秒前)

 とりあえず、Twitterの書き込みはここまでにしとこう。えっ、Twitterを知らない? Twitterはまったくお気楽な、Web2.0ならではの新しいお楽しみだ。

 Twitter.comでは常時、何百万人ものユーザーが「今、何してる?」という問いにひたすら答えている。ブログにも似ているが、ブログと異なり、コンテンツと呼べるような内容は一切ない。

 例えば、今見たところでは、皆は今、「これからインド料理を食べに行く」ところだったり、「朝食に出かける」ところだったり、「DirecTVを申し込んだ」ところだったりするようだ。わーお! 次は、何をしてる人の番だろう?

 Twitterの人気については、正直、わたしは自分を「頭の古い頑固者」と感じざるを得ない。こうして最先端のIT業界に身を置いているとはいえ、わたしには、常にオンラインで誰かと接触していたいという感覚は理解できない。

 だが、わたしにも、なぜこのサービスが若者の間で流行っているかは理解できる。わたしの知っている25歳以下の若者たちは皆、常に携帯電話で誰かしらと話をしている。その会話の内容といったら99%、Twitterと似たり寄ったりだ。「ねえ、今、何してる?」「別に。そっちは?」「フューチュラマを見てるとこ」「いいねえ。じゃあ、またね」といった感じだ。

 やれやれ。でも、Twitterのおかげでそうした携帯通話がたとえ半分でも減っているのであれば、Twitterは社会に大いに貢献していることになる。

 もっとも、Twitter.comについては1つ、とても気になっていることがある。それは、このサービス自体とは何ら関係のないことだ。わたしが気掛かりなのは、Twitterの人気が、「現代人はプライバシーなど気に掛けておらず、おそらく、プライバシーコントロール(個人情報の漏えいを防止するための機能)すら必要としていないのだろう」という主張の新たな論拠にされている点だ。

 おそらく、読者の皆さんもこうした主張を何度か耳にしたことがあるだろう。「今では、多くの人たちがブログやMySpaceやTwitterなどのサービスを利用している。彼らは自分の日常生活に関する詳細を世界中の人たちに発信している。つまりこれは、もはやプライバシーなど存在せず、大半の人たちは気に掛けてもいないということを証明している」といった主張だ。

 だが、わたしに言わせれば、これはとんだ見当違いだ。これでは、「ほら、世の中には、スピード違反をしたり、税金をごまかしたり、会社の備品をくすねたり人がたくさんいるじゃないか。つまり、もはや法律など存在しないも同然で、大半の人たちは法律の遵守など気に掛けていないということだ」と言っているようなものだ。

 当然、プライバシーにはさまざまなレベルがあり、問題となるレベルは人によって異なる。例えば、わたしは社交的な人間なので、普段、自分の身の周りの出来事をあれこれ人に話すのは嫌いではない。自身のブログで、自分の旅行や見に行ったライブの話をしているし、食事したレストランの話なども書いている。もちろん、さまざまな問題について自分なりの考えも書いている。

 だが実際、わたしは自分のプライバシーについては、かなり気を遣っている。これは本当だ。いくらわたしが自分の日常生活についてあれこれ自由に語っているからといって、わたしが「自分に関する各種の情報を自分の日常生活に関する細かな記録と組み合わた巨大なデータベース」の存在を望んでいることにはならない。そんなことになれば、どこかの会社やなりすまし犯に悪用されかねない。

 またわたしは、政府や企業がRFIDや携帯電話やIDカードを使って、わたしの居所をどこであれ追跡できるようになることも望んではいない。

 プライバシーにかかわる情報については、多くの人たちが、こうした「使い捨て」方式を望んでいるはずだ。Twitterやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の熱心な利用者であれ、自分のIDが盗まれたり、雇用主に自分の居場所を四六時中、逐一把握されるような事態は望んでいない。

 だから、違うのだ。もはやプライバシーなど存在していない、なんてことはない。だから、「もはやプライバシーなど存在せず、人々はプライバシーコントロールを気に掛けてもいない」などと主張している人がいれば、警戒した方がいい。わたしは断言できるが、そういうことを言う人は、大抵の場合、プライバシーコントロールの緩和によって何かしら利益を享受できる立場にある人間だ。

 ああ、ごめんなさい、ちょっと待って。1つ、しなければならないことがあるから。

 Web2.0が「プライバシーの死」を意味するものではないというテーマでコラムを完成。さて、おやつの時間だ。チョコアーモンドクッキー、うーん、美味しい。(3秒前)

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プライバシー | 個人情報保護 | SNS | Twitter | Web2.0


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