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Googleブログの厚かましさ(2/2 ページ)

» 2007年07月18日 07時00分 公開
[Evan Schuman,eWEEK]
eWEEK
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 最初の保険会社を擁護する発言の中身については触れたくない。少なくとも、家族の審査について5件の請求を抱えている間は。

 だがここで、ブログの罪が犯された。ブログが目指す唯一のものは信頼性だ。読者が医療やほかのテーマに関連する企業ブログを、よそではなかなか見つからない素晴らしい洞察、ニュース、分析を得られる場所だと思ったら、アクセスして、読んで、参加してくれる。それは企業の利益になり、いずれは顧客や見込み顧客になる人々を開拓し、対話することができる。

 読者はブログを広告だと思った瞬間、それを捨て、長い間戻って来てくれないだろう。

 ここでの「罪」は、Googleのブロガーが自分の意見を書いたことではない。情報と洞察を提供することがブロガー――企業ブロガーであれ、それ以外であれ――としての鉄則だというのを彼女が忘れたことだ。問題のブログが医療広告に関連するものである限り、広告フォーマットの効果比較についての意見なら(例えば、「テキスト広告は非常に強力で、アニメーション広告は金の無駄」といったような)歓迎されるだろう。

 ライターとして、わたしは小売り技術についてブログを書いたり、データベース戦術の効果に関する意見を述べることができ、それで誰かが激怒することはない。だが中絶の権利や同性婚についての意見を披露したら、当然ながら非難されるだろう。問題なのは意見ではなく、その意見がブロガーの管轄内にあるのかどうかだ。つまり、読み手が期待し、望んでいるものなのかということだ。

 わたしが心配しているのは、この一件から誤った教訓を学び、ターナー氏が反対の立場を取っていたら問題は起きなかったと思う人がいるのではないかということだ。

 このブログのもう1つの問題は、ブロガーが読者につけ込もうとしているように思えることだ。こんな言葉を使って――「よくあることだが、メディアは悲痛でセンセーショナルな特殊な話を使って、医療全体を描こうとする。報道を見ると、業界の多数の処方せんプログラム、チャリティーサービス、慈善的取り組みに誰も注目していないのは残念だ」

 米国民が医学的治療を受けているのかという問題にメスを入れたドキュメンタリー映画で、監督が保険による税控除を取り上げるものだろうか?

 だが、わたしは最初のコメントの内容に引き込まれている。認めよう、わたしは弱い。真の問題は、読者の最高の友になることではない。ブログを書くのは読者に情報を提供するため、今回のケースでは、加えて広告の問題を文脈に織り込む手助けをするためだった。Googleのブロガーは、それに失敗した。

 読者につけ込むことがブログの罪になるのは、信頼性を損なうからだ。問題の投稿の要点は、保険会社はSickoに対抗するために、Googleの広告を大量に買うべきだというものだった。

 見え透いた売り文句に驚く以上に、正直さ(厚かましさ?)に感心しているのか、自分でもよく分からない。ターナー氏が読者をだまそうとしていたわけではないのは明らかだ。だが、広告に関するブログはことさらに、自社を解決策として勧めるのを避ける必要があると思う。

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