だが――どんな話にも「だが」は付き物だが――、IE 8の新機能は必ずしもすべて標準ベースというわけではない。Microsoftは標準ベースであるよう望んでいるのだろうが、あくまで望んでいるだけだ。今日FedExで意外な小包が届いたとき、わたしはIE 8の新機能の1つについて思い出した。下の写真にあるように、Microsoftは「Internet Slicing Emergency Accident Kit」と呼ばれる救急キットを送ってきたのだ。
IE 8の新機能の1つに「Web Slice」を使うオプションがある。Web Sliceは基本的には、お気に入りバーに追加できるフィードのようなものだ。「Web Slice機能はIE 8でのみ安全かつ簡単に利用できる」とこの救急キットには書かれている。OK。でも少なくとも今のところIEはWeb Sliceを使える唯一の選択肢のはずだけれど……。
そのほかIE 8の新機能には以下のようなものがある。
これはスマートタグ機能が受け継がれたもの。Microsoftは当初IE 6にスマートタグ機能を搭載する予定だったが、リリース前に取りやめている。アクセラレータは概念としてはスマートタグによく似ているようだ。さまざまな用途に便利に使いこなせそうだ。ユーザーはWebページ上のコンテンツから、そのほかの場所にある関連コンテンツに簡単にジャンプできる。分かりやすい例を挙げるなら、例えば、住所からオンラインマップにジャンプするといったことだ。
具体的には、「InPrivate Browsing」「InPrivate Blocking」「InPrivate Subscription」の3機能で構成される。詳細については、IE 8に関する26日付の記事をご覧いただきたい。
IEの検索ボックスからインラインで検索用語を提案するというもの。Firefoxのユーザーであれば既にこうした機能を使い慣れているだろう。
安全ではないことがMicrosoftによって確認されているサイトを遮断する。
これらの新機能については、この先βをテストしながらおいおい、お伝えしていく。
どうやらテストは自己責任でということらしい。同僚のレビューを読む限り、このテストビルドはβ2にしてはひどく荒削りのようだ。ジムは次のように書いている。
「これは確かにβであり、IE 8のβ2が非常に不安定であることはテストを始めて数日で分かった(ただし、そのおかげで、新しいタブやサイトのリカバリー機能を非常に詳しく、頻繁に確認できた)。実に多くの人気WebサイトをIE 7互換モードで閲覧する必要があった。従って、わたしはWeb開発者や技術的に興味をかきたてられている人にしか、このβの試用はお勧めしない。安定したブラウザで大切な作業を行う必要のある人は使わない方がいい」
何だって? これはパブリックβのはずなのに……。こんなことでパブリックと言えるのだろうか? IE 8のβ2について警告しているのは、ジムだけではない。MicrosoftのSmall Business Server(SBS)チームの公式ブログには、8月25日付で次のようなコメントが投稿されている。
「IE 8をテストするなら、IE 8はまだβ段階の製品であり、SBS 2003やSBS 2008との間で互換性の問題が起こり得るということを忘れずに。われわれはIE 8の製品開発チームと緊密に協力し、IE 8がSBS 2003やSBS 2008のRemote Web WorkplaceやCompanywebなどの機能とうまく連携できるよう努めている」
恐らくIE 8の粗さを最も的確に表しているのは、ジムのどこか遠慮がちな次のコメントだろう(彼はモンティ・パイソン風のドライユーモアのセンスを持ち合わせているに違いない)。「IE 8のβ2のすべての新機能のうち、恐らくわたしが一番多用したのはIE 7エンジンに切り替えるための互換性モードだ」
さらにジムは次のように続けている。「驚いたことに、Microsoftは“互換モードは標準に完全に準拠していない古いサイトにのみ必要だ”と言っているのに、わたしはwebstandards.orgでもこのモードを使う必要があった。このサイトはWeb技術の互換性推進団体であるWeb Standards Project(WaSP)のサイトであり、Webブラウザの標準適合性を検証できるAcidテストのサイトでもある」
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