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IE 8 β2を試してみた――プライバシー機能に進歩あり(2/5 ページ)

» 2008年08月29日 15時59分 公開
[Jim Rapoza,eWEEK]
eWEEK

 しかしIE 8 β2のあらゆる新機能の中で、わたしが恐らく最も多用したのは、ブラウザをIE 7のエンジンに切り替える互換モードだろう。アドレスバーの横に表示される壊れたファイルのアイコンのようなボタンをクリックすると、サイトが互換モードでリロードされる。わたしのテストでは、多くの人気サイトや一般的なサイト、WebメールやGoogleのアプリケーションサイトでさえも、このモードをかなり頻繁に使わなければならなかった。互換モードが必要なのは標準に完全準拠していない古いサイトのみだとMicrosoftは説明していたので、Web Standards ProjectとAcid Web標準テストのサイトであるwebstandards.orgのサイトでも互換モードを使わなければならなかったことには少なからず驚いた。

 IE 8 β2の新機能には、FirefoxやOperaなどの競合ブラウザが既に備えている機能の後追いも多い。ページ内検索機能の改善(ポップアップが別表示されるのではなくページ内に表示されるようになった)、コンテキストに応じたアドレスバーの自動コンプリート、コンテキストに応じた検索用語の提示、マルウェア感染サイト対策などがそれだ。

 しかし、わたしのテストで本当に重宝したIE 8の機能は、クラッシュ対策とページ復旧の新機能だった。なぜなら先に触れた通り、β2はわたしのテストでは非常に不安定だったからだ。幸いなことに、新しい復旧機能は優れていた。1つのタブに表示しているWebサイトが問題を起こした場合、データはそのままでそのタブのみが更新され、ほかのタブには影響を与えない。ブラウザ全体がクラッシュした場合はタブがすべて自動的に復旧され、サイトのデータはそのままだった。

 IE 8 β2の標準対応はIE 7に比べてかなり改善され、IE 8はWeb Standards ProjectのAcid2テストにも合格している。しかし、β版では新しいAcid3テストの成績はかなり悪く、現行世代のほかの全ブラウザに比べて相当後れを取っている。

 開発者の観点から見ると、IE 8 β2はこれまでのバージョンよりもかなり親しみやすそうだ。非常に優れた開発ツールがブラウザに統合され、Webサイトのコードのテストやデバッグが手軽にできる。また、新機能の多くは開発者にも利用できる。

 開発者やMicrosoftの最新のWeb技術を体感してみたいユーザーのために、IE 8 β2はwww.microsoft.com/ie8のサイトからダウンロードできる。

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