MacのNetbookの登場を信じるかどうかはあなた次第だ。だが申し訳ないが、わたしはスティーブ・ジョブズ氏不在の次のMacworldは、子供だましのようなものになると思う(注:今日のブログは短めになっている。ひどいインフルエンザのせいだ。皆さんも気を付けて)。
しかし、Technology Business Research(TBR)のアナリスト、エズラ・ゴットヘイル氏の説を読んだ人は、皆信じるだろう。同氏は12月16日、MacのNetbookに関する以下の予測を明らかにし、このデバイスをめぐる憶測をかき立てた。
Appleは、簡単かつ安全にWeb接続やコンピュータ処理に使える安価なモバイルデバイスを発表するだろう。このデバイスは低価格Macとは異なり、iPhoneと同様のクローズドシステムとなる見込みだ。そしてデザイン、ソフトウェア、オンライン配信システムにおけるAppleのユニークな強みを生かし、既存Netbookを脅かす一方、景気後退下の市場ニーズにフィットするだろう。ロードできるソフトと接続できるハードがAppleの管理下に置かれるため、同社の新デバイスはPCよりシンプルで使いやすく、信頼性も高くなり、ユーザーから最も求められる機能で優位性を発揮するだろう。
だが、この説は何かを見落としているのでは? 既にAppleはこうした特徴を持つデバイスをリリースしている。しかも2種類も。それはiPhone 3GとiPod touchで、対応するApp Storeも運営されている。
ゴットヘイル氏は次のように続けた。
TBRは、Appleが2009年1月にMacworldでこの新製品を発表し、同年半ばに発売すると考えている。この製品は2種類のサイズが用意されるだろう。1つはMacBook Airに非常に近いもので、もう1つはNetbookに似たものだ。より小さい後者の価格は599ドルだろう。
ジョン・パシュコウスキー氏は、ゴットヘイル氏がAppleのデバイスについて魅力的な議論を展開していると指摘しており、わたしも同意見だ。
こうしたデバイスが登場すれば、新興国や価格に敏感な消費者のほか、Macも含めてPCは複雑過ぎると感じている人たちの新しい市場が開けるだろう。こうしたデバイス用のアプリケーションはすべてiTunes App Storeから配布されるため、Appleはユーザーとの継続的な関係を維持し、既存顧客に高額商品や関連商品を販売しやすくなるだろう。TBRは、AppleがMobileMeのようなオンラインサービスを、すべての顧客にとってより魅力的なものにすると考えているが、Appleの新デバイスの購入者には、そのシンプルさが特にアピールするかもしれない。
しかしこれは、赤鼻のトナカイが引くそりに乗ってサンタクロースが善意を広げ、世界に平和をもたらし、地球温暖化を解決するというような話だ。つまり、絵空事にすぎない。
わたしはインフルエンザで猛烈に頭が痛く、いつもより意地悪になっている。ほかの日なら、ゴットヘイル氏の予測について違った考え方をするかもしれない。ともあれ、わたしはサンタクロースを信じるが、同氏の予測は信じない。理由は以下の通り。
ある意味で、ゴットヘイル氏はAppleがすべきことをずばりと指摘した。しかし、Appleは既にiPhoneとiPod touchでその方向に進んでいる。Appleは既存のポケットコンピュータを大幅に改良することで、自らと株主、顧客のためにより良い結果を出すだろう。真っ先に取り組むべきはバッテリー駆動時間の向上や、交換可能なバッテリーの搭載だ。
財務の観点から見ると、AppleはMacworldでiLife '09とSnow Leopardという新ソフトを発表し、iLife '09は発表と同時に、Snow Leopardは3月中旬までに発売するのが最も得策だろう。Snow Leopardはドル箱になる。このMac OS Xの新版が129ドルで発売されれば、売り上げを押し上げるだろう。Appleは不景気な中で新しいハードウェアカテゴリーにリスキーな投資を行うことなく、すぐにソフト販売収益を伸ばせるはずだ。
さらに、iPhoneやiPod touchの改良やMacBookの低価格モデルの販売などにより、既存製品ラインの売上高を最大化する方が理にかなっている。
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